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「お笑いジャーナリスト」を目指す、起業家・お嬢様芸人のたかまつなな氏がつくる政治教育の現場とは
2016年9月9日


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自分にしかできないことは何かずっと考え続けてきた

――お笑い界の池上彰になるというふうにおっしゃっているたかまつさんですが、若い世代に政治への興味をもってもらうために、自ら率先して活動されているのはどうしてなのでしょうか?

たかまつ 根本的なことを言うと、自分にしかできないことをしたいという想いがすごく強くありますね。それは自分が職業を選ぶ上でも、そうだったんですね。「将来、新聞記者になろうか」とかいろいろと考えていたときに、他の人でもできること、代わりがききそうなことに対して、あまり魅力を感じませんでした。私よりも優秀な人がもっといい記事を書くんじゃないかなと思っちゃうんです。それだったら自分にしかできないようなことがいいなと思いました。それから、お笑い芸人で、お笑いと社会問題の両方をちゃんと突き詰めてる人ってそんないないよなと。芸能人の方で、社会問題にとても詳しい人でも、テレビで話すことに留まっていて、若い世代への政治意識の啓蒙活動をしている芸能人ってあまりいないと思うんですよね。

――それは、いつごろから考えていらっしゃったのでしょうか?

芸人一年目の時から、感じてたことなんです。お嬢様芸人としてデビューさせてもらって、いろいろな番組にも出させてもらえるようになってきたとき、芸能界って椅子取りゲームだなって感じたんですよね。枠があってその枠のどこに座るか? 例えば、美人枠が1つあります。それに誰が座るかみんなで争います。とある番組のレポーターは1人しかできません。それを誰がやるか争いますという、すでにある枠を争うんですね。例えば、オーディションでその枠を勝ちとったとしても、新しい人がどんどんきて入れ替わりも激しいですし、その椅子取りゲームは続くので、そういうのに対してすごく疲れてしまったことがありました。その戦いに巻き込まれたままでいいのかなと……(笑)。

「お嬢様芸人」というのも、自分にしかできないものをやらなきゃ芸人として意味がないというか、そうしないと売れないと考えたからです。でも、芸人を始める前から、自分にしかできないことは何かずっと考え続けてきた気がします。それって究極的に言うと、キャラクターの確立だけじゃなくて、活動の仕方もそうだと思っているんです。自分から新しいことを始めて、「一緒にやりましょう」って言ってもらえたり、「これのことだったらたかまつさんに頼もう」って、自分を選んでもらえることが増えたらいいなと思いました。
オーディション行っても受からない日が続いたり、ちょっとテレビ出させてもらえるようになっても、思うように露出が続かなかったり。そういう自分の中で葛藤しているときに、よその人が急に目に映ってくるようになるんですよね。「今年売れそうな芸人」って同じくらいの時期に言われていた人に先を越されたり、新春のネタ番組一緒だったのに、出る時期が1ヵ月変わっただけであの人が24時間テレビ出てるみたいな……(笑)。もちろんこれからも芸人としてやっていきたいので、椅子取りゲームに参加していきます。でも、選んでもらえる方法は他にもきっとあると思うんですよね。自分で言うのも変ですけど、自分のことをすごく異色なんだろうなと思います。

>次ページ「次に自分のやりたいことを見つけたら、とことんやってからあきらめようと思った」



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