今回お話を伺ったのは、お笑いコンビ「麒麟」の田村裕さん。1997年に相方・川島明さんとともに、お笑いコンビ「麒麟」を結成し、『M-1』をはじめ数々のお笑い番組で活躍。2007年に出版した自叙伝の『ホームレス中学生』は、映画、ドラマ、漫画と多方面にメディアミックスされ大きな話題となりました。小さいころから漫画を読むことが大好きだったという田村さん。漫画への想いと、B.リーグが開幕して注目が集まるバスケットボールについても熱く語って頂きました。
いつか漫画喫茶を開きたいなってくらい集めていた。
――漫画好きだとお伺いしましたが、漫画は雑誌で追いかけて読まれますか。それとも、単行本で作品ごとにまとめて?
田村 色々な形で買いますけど、今はだいたい週刊誌で読んでますね。単行本はあまり買わないです。二回読むことになるんで(笑)。
――漫画雑誌は大体どれくらいのペースで読まれているのですか?
田村 週刊誌は、多分7、8冊は読んでますね。メジャーどころですと、『ジャンプ』、『マガジン』、『サンデー』ですね。少年誌以外だとヤング系の雑誌も一通り読んでいます。
月刊誌はもう読んでいなくて、隔週の『スペリオール』を読むだけですね。ありがたいことに仕事が多くて、ほんと時間がないんです。
――どういったタイミングで読まれることが多いですか?
田村 半身浴が好きなんで、その時に読むことが多いですね。あとは、仕事の移動中の車内とかで読んでいますね。
――田村さんの人生の中でベスト漫画一冊をあげるとすると何でしょうか?
田村 中学生で家がなくなる前は団地に住んでいて、兄が『少年ジャンプ』を集めてたんですよ。でも、当時からお金がないから、団地の廃品回収で毎週拾って来てました。それこそ、家の屋根裏部屋が溜まったジャンプですごい量になるくらい。
それを僕も一緒に読んでいて、『ドラゴンボール』は初回から読んでいるんですよ。その前から読んでるんで、読み始めの作品は、『魁!!男塾』とかですかね。
――84年頃でしょうか。ちょうど『週刊少年ジャンプ』の黄金期ですね
田村 そう。5歳6歳くらいからですかね。それで漫画にハマって。お金ないときは立ち読みを駆使して(笑)。
この世界に入ってからも移動中の時間を使って読むくらい相当漫画が好きなんですけど、昔のことでひとつ忘れられないことがあるんですよ。
――どういったことでしょうか?
田村 家がなくなるちょっと前から『ジョジョ(の奇妙な冒険)』を集め始めてたんです。
ちょうどそのころ、漫画を読んだり、買ったりっていうのが自分たちの中で流行っていた時期があって、漫画を集めるために同級生3人で自転車を使って、毎日のように古本屋巡りをしていました。
そんな時期に家がなくなったんですが、家がなくなったことをうけて、同級生のお母さんが、何かあったときのためにと、こっそり5,000円のお小遣いくれたんです。直接言われたわけではないのでわからないですけど、当時所属していたバスケ部の練習試合の交通費とか、上靴を買い直したりとか、中学生として必要なものを買うためのものだったみたいなんですよ。でも、僕は「どうしても欲しいものがあったら、これで買いなさい」というふうに勘違いしてしまったんです。で、中古の『ジョジョ』の16巻セットを3,000円~4,000円くらいで購入して、お小遣いをくれた同級生のお母さんにめっちゃ怒られたんです。でも、当時の僕からしたらホントに必要なものだったんですよね(笑)。
貰った5,000円を漫画を買ったことに使ったことはすごく反省しています。けれど、自分の人生としては致し方なかったかなと思うくらい当時から漫画が好きで、それが今につながっているのかなと思っています。
――それほどまでに手に入れたかった『ジョジョの奇妙な冒険』は田村さんの中でも特別な作品なのですね。
田村 僕の中では『ジョジョ』がバイブルで殿堂入りしていて、どれだけ影響受けたかわからないですね。場の世界観とか、少年誌で連載しているのに子供を喜ばせる概念が感じられなかった。「俺の世界にお前たちが入ってこい」っていうワイルドさがメチャクチャ格好良くて憧れました。
怖かったし不思議でしたし、他の漫画とは明らかに色が違って、本当に格好良いんです。
――『ジョジョの奇妙な冒険』は現在、第8部(※)が『ウルトラジャンプ』にて連載中ですが、田村さんは何部が特にお好きですか?
田村 一番好きなのは4部です。虹村億泰というキャラクターが好きでした。3部は、ポルナレフで、5部はミスタが好きでした。共通点は、「おとぼけ」「真面目」「熱血漢」みたいなところですかね。『ワンピ-ス』やったらフランキーです。ちょっと馬鹿っぽくて愚直な感じに共感するみたいな。
――『ジョジョの奇妙な冒険』で一番好きなシーンは何でしょうか?
田村 たくさんありすぎて選ぶのが難しいですけど、さっき言った億泰のお父さんの話は良かったですね。お父さんが最後まで小さい紙を集めていたんですけど、それは家族の写真やったっていうのがねえ、すごく好きですね。
――漫画雑誌をたくさん読まれているということですが、ご自宅に雑誌を保管されているのでしょうか?
田村 結婚してからは置く場所がないんで、保管できていないですね。結婚するまでは、漫画もいっぱい集めていて、それこそいつか漫画喫茶を開きたいなってくらい集めていたんです。けれど、大阪から東京へ引っ越す際に、持って行くのが大変なんで、同じ芸人のスマイル瀬戸に全部あげちゃいました。
――本は紙媒体で読まれることが多そうですが、電子書籍は利用されたことありますか?
田村 『週刊モーニング』だけはケータイで読んでいます。ただ、ケータイだといつでも読めちゃうというのもあって、後回しにしちゃってて、今は半年分くらい溜まってしまっていますね。アプリも起動してなかったので、何冊か抜けてしまっいて、頑張って読まないとなと焦っています(笑)。
雑誌やと全部は持って行けないんで、今回の移動は三冊だけとかって決めています。それでも、結局追いつかなくて家に溜まっていくんで、GWと正月がチャンスなんですよね。そこで一気に時間を使って消化しています。
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