舞台演出に初チャレンジ
(編)今回、電子書籍化と漫画化もされている先生の小説『タイムカプセル』が舞台化されますが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
(剣名先生)昨年5月に『漫劇』という3名の漫画家さん(三浦みつる氏、御茶漬海苔氏、今野直樹氏)が一つずつ新作を書き下ろして演出を務めた舞台を観ていた時に声をかけてもらったのがきっかけでした。
今回ご一緒に共作する山田貴敏先生、国友やすゆきさんとは違い、私は漫画家ではないのでどうしようかなと迷っていたのですが、折角声かけてもらったのでチャレンジしてみようと思いました。
(編)剣名先生は演技の指導なども行うのですか?
(剣名先生)やりますよ。舞台用の台本を新たに書き下ろし、役者も全てオーディションで私が選びました。もちろん舞台は他に大勢の方の協力が必要ですがね。
(編)『タイムカプセル』の見どころはどのようなところでしょうか?
(剣名先生)今回舞台化される「タイムカプセル」はタイムスリップというかタイムリープをテーマにした高校の同窓会が舞台のストーリーです。
漫画と映像では「タイムスリップ」を扱った作品はいくつかありますよね。最近だと『僕だけがいない街』や『信長協奏曲』がそうですね。舞台でも色々な作品が演じられていますが限られた時間と場所の中で物語がどう展開されていくのかが見どころですね。現在の28歳と高校生の男女の同じ役をそれぞれ別の役者たちが演じます。
(編)舞台化する上で大変だったことはありますか?
(剣名先生)小説をそのまま脚本にすると、舞台の上演時間内に収まらないので、時間内に収まるよう全面的に書き直して練り直すのに一苦労しました。
出演する演者を含め、無駄な人や物は一つもないようにしています。漫画の原作を長年やってきましたが、漫画や小説で出来ることを舞台でやっても仕方がないので、舞台だからこそやれる見せ方や面白さを追求しています。
せっかくなので上演中に流れるイメージテーマソングの作詞も私が担当しました。
「タイムカプセル」は紙の単行本としても新たに刊行したので劇場でも販売する予定です。
(編)先に読んでいなくても舞台を楽しめるんですね。
(剣名先生)そうですね。現在、稽古の真最中です。私は昨年「アテレコライヴ」というのをやりましたが芝居の舞台は初体験なので、どのように見せたらより良い作品になるかなど毎日悩みながら試行錯誤しています。舞台の世界も奥が深いです。
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