「漫画原作者」という仕事をもっと知ってもらいたい
(編)先生のこれからの夢や目標は何かありますか?
(剣名先生)「漫画原作者」を目指す人がもっと増えて欲しいなと思っています。
やはり「漫画原作者」は職業としてまだまだ認知されていないんです。例えば今教えている大学の生徒に「何の漫画が好き?」と聞くと、その学生は、「『DEATH NOTE』が好き」と答えるんですが、その『DEATH NOTE』の原作者の名前を知らなかったりするんです。
そういうことが多々あるんですよ。
(編)そうですね。原作者の名前をあげろと言われてもちょっと困りますね…。
(剣名先生)そうでしょ。私も今でもたまに漫画家だと間違えられて「ファンなんです、全巻持ってます」と言われたりしますから(笑)。
「漫画原作者」って日本特有の職業だと思っています。漫画は世界中にありますが、「漫画原作」はいないんですよね。アニメーションのスタッフとして脚本家はいますが、これは映画やドラマの脚本家と同じ立ち位置です。
外国人に自分の職業を説明するときに、「漫画原作者」を表す適切な言葉がないんです。そもそも外国にはそういう概念がないから伝わりにくい。
そういう意味で、もっといろんな人に「この原作者がいるからこの漫画が出来た」というように思ってもらえたら嬉しいですね。
もっと言うと、女性の漫画原作者が増えて欲しいと思っています。今女性の漫画原作者がとても少なくて自分が受け持つ講座でも、漫画原作者を志望する女性がほとんどいないんです。それはこれまでにヒットしている女性漫画原作者の作品が少ないからだと思います。
女性が原作の作品で大ヒットした漫画は、1970年代の『キャンディ・キャンディ』などとても少ないんです。。作品数が少ないから、「この人みたいな漫画原作者になりたい」という女性が出てこないんだと思います。
それは、教える立場である自分にとっては非常にもったいないことだと思うんです。
『キャンディ・キャンディ』を超える作品を女性の原作者が生み出して、それを見て原作者を目標にする女性が増えていって欲しいなとも思っています。
<剣名舞(つるぎな・まい)>
漫画原作者・作家・プロデューサー。
1955年 東京葛飾区出身 中央大学卒。大学卒業後、IT会社、麻雀屋勤務を経て漫画原作者としてデビュー。
その後、株式会社剣名プロダクション代表取締役。プロデビュー講座主宰。日本漫画家協会員。小池一夫劇画村塾2期生。
現在、大阪芸術大学キャラクター造形学科准教授。
剣名プロダクションオフィシャルサイト:http://www.tsuruginapro.com/
【代表作・原作】
『ザ・シェフ』全41巻(日本文芸社)画・加藤唯史、『女医レイカ』全18巻(リイド社)画・嶺岸信明、『海猫亭へようこそ』全10巻(実業之日本社)画・村尾忠義、『MC・LAW』(新潮社)画・浅田有皆
【代表作・書籍】『漫画原作で印税1億円を稼ぐ方法』(東洋経済新報社)、『小説版ザ・シェフ』(実業之日本社)、『心の処方箋』(ゴマブックス)、『かけがえのない女になる方法』(大和書房)、『殺意のハイヒール~女医レイカのカルテ』(ぶんか社文庫)
<剣名舞先生の舞台情報>
『漫劇2』「タイムカプセル」
脚本・演出:剣名舞
日程:2016年5月11日(水)~5月15日(日)
場所:テアトルBONBON(東京都、中野駅より徒歩5分)
料金:前売り¥3,800、当日¥4,000(全席自由席)
チケット予約:『漫劇2』専用予約ページ PCはこちら 携帯はこちら
チケットのお問い合わせ Mail: mangeki@kaleidoline.jp
チケットの詳細はこちら http://www.kaleidoline.jp/mangeki/2/ticket.htm