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人気シリーズ『花鳥風月シリーズ』が初の電子書籍化!!綾崎隼先生が明かす裏側事情
2017年2月3日


 

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電子書籍化は、偶然に起きた衝撃的な出来事と担当者の一言で決まった

―― 今回は同時に綾崎先生の代表シリーズでもある『花鳥風月シリーズ』が初の電子書籍化になるとお伺いしました。綾崎先生のブログにも「 頑なに電子書籍にNGを出していた」と書いておられますが、デビュー7周年にして、電子書籍化に踏み切った理由となぜこのタイミングだったのでしょうか。

綾崎 メディアワークスの小説では『花鳥風月シリーズ』と『INNOCENT DESPERADO』が初めての電子書籍化になりますが、実は講談社タイガで発売されている『君と時計シリーズ』という作品が、私の初の電子書籍作品となります。
当初、講談社でも電子書籍化については、「NG」と伝えていました。しかし、タイガでは創刊前から電子と文庫が同時発売される予定になっており、その上で、私以外に電子書籍にNGを出している方がいませんでした。そのため、タイガの担当編集に「綾崎の作品だけが電子書籍のストアに並ばない。どうにか口説き落とすのだ!」という指令が出ていたらしく、何度か説得の電話を受けました。
時流を見て迷っていた時期でもありましたし、単純に私のせいで担当編集が責められたら申し訳ないという気持ちもありましたし、「ひとまず『君と時計シリーズ』だけ。どういう販売状況になるか知りたいですし、許可を出します」ということで、電子書籍も発売することになりました。

―― 先生のブログを拝見させていただいていますが、『君と時計シリーズ』が電子書籍で発売されていることは書かれていなかったので、今回初めて知りました。そして、裏側にそんなエピソードがあったのですね。

綾崎 そうなんです。その後、ちょうど1年前になりますが2016年の年始に、国民的アイドルグループの解散騒動がありました。その折、テレビ番組で会見をおこなったタレントさんが、冒頭で日付と時刻を口にしたんです。その結果、ネット上で「彼は解散を阻止するためにタイムリープを繰り返していて、時間を忘れないために日付を口にしたのでは?」などという話が広まりました。
もちろん、外野の他愛もない冗談なのですが、その推理がネット上にまとめられた際にタイムリープ作品ということで、『君と時計シリーズ』が一緒に紹介されたんです。もちろん、まとめサイトに紹介されたことが、偶然の話なので版元の講談社さんは無関係です。でも結果として、まとめサイトを読んだ人が作品に興味を持ってくれたらしく、一時的に、電子書籍が平時より売れるということがありました。
この出来事が、かなり衝撃的で。電子書籍は販売されていると、興味を持った瞬間に購入出来るわけです。そう考えると、「自分の作品がこれまで販売機会を逸してきたこともあるのかな」と、改めて考えるようになりました。

※編集部注
『君と時計シリーズ』はタイムリープを題材にしている作品となっており、主人公たちは何度も過去にタイムリープを行うという設定になっています。

―― 最終的に2016年12月に解散してしまったあのグループですね。私もネットでのタイムリープ説は話題になっているのは見ていましたが、先生が講談社タイガから出された『君と時計シリーズ』とそのタイムリープ説にそんな関係があったとは……。

綾崎 私も最初はとてもびっくりしました。その後、2016年の初夏にメディアワークス文庫から出した『風歌封想』の打ち上げに連れていってもらった際、担当編集に「講談社で電子にしたんだから、うちでもそろそろやろうよ」と言われました。『君と時計シリーズ』の件もあり、既に心は動き始めていたわけですが、再び迷う素振りを見せたところ、担当編集にこんなことを言われました。「紙の書籍は重版がかかっても作家にしか印税が入らないけど、電子書籍なら売上に応じてイラストレーターにも印税が入るんだよ。」この一言が自分の中では決定的な一言でした。その日まで、その事実を知らなかったわけですが、お世話になっているイラストレーターさんたちに、印税という形で恩返しすることは、自分にとって一つの夢だったので、本当に目から鱗が落ちた気分でした。
そんなやり取りを経て、昨年の初夏に、メディアワークス刊行の本も電子書籍にすることを決めたのですが、この冬にリリースとなったのは、紙媒体での新刊とも相乗効果を出したかったからです。『命の後で咲いた花』と『花鳥風月シリーズ』は物語の雰囲気も近いですし、発売日を合わせることでの宣伝効果を期待しました。
今回、電子書籍ランキング.com様より取材インタビューで声をかけて頂けたことも、まさに同時リリースの効果だったのではと推測するのですが、如何でしょうか?

―― まさに先生の推測どおりです(笑)。あの『花鳥風月シリーズ』が電子書籍化ということで、このタイミングだということで、依頼させていただきました。

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