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【出版記念インタビュー】元プロ野球選手・里崎智也氏に聞く’’里崎流エリートの倒し方’’
2017年3月3日


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仕事で給料貰っている以上は、結果を出さないといけない

―――2015年に出版されました『非常識のすすめ』では、常識にとらわれない姿勢を表した書籍ですが、2004年から2009年まで、バレンタインマジックなど奇想天外な采配や戦略を行っていた、ボビー・バレンタイン監督の下でプレーした経験や影響はありますか?

里崎 かなり影響を受けました。根本的に日本人とアメリカ人の考え方の違いを感じました。日本人の社長が作る企業と、アメリカ人の社長が作る企業が違うように、新しい監督の下で新しいことを知ることができたのは、貴重でした。特に、アメリカ人は発信がうまいと思いましたし、僕自身2010年のファイナルステージ進出の言動は、バレンタイン監督の下で、有言実行の大切さをそばで学んだ結果として、僕自身に責任を与えるために出た言動です。監督の影響もあり、有言実行するのが当たり前になってきて、今は言葉として発信していかないことの方が違和感を受けます。
非常識のすすめ』では、そのような日本人とアメリカ人の根本的な違いを知ることができたからこそ、日本球界が考える常識の多くは非常識なことが多いということを示したくて書いた本です。日本球界だけではなく、実社会でも非常識と思われることが実は非常識ではないこともあるし、常識と考えていたことが非常識なこともあるということを伝えたかった本です。

―――『非常識のすすめ』の冒頭部では、捕手出身の里崎さんらしくリードに対して指摘をされています。日本球界だけでなく、実社会でも常識=正しい、ゆえに固定概念として捉えられている事例なども多くみられますが、その点についてはいかがでしょうか。

里崎 結局、常識を疑うだけの知識がないから固定概念にしか留まれないのだと思います。つまり、保留の定義ですね。知識がないから、思考停止していると思います。知らないことを新しく自分が勉強するか、経験していかないと、知識の幅は広がらないので、固定概念の枠内にいることが安全だと思い込んでいると思います。常識=正しいと思い込んでいることこそが僕は非常識だと指摘しています。つまり体験したり、経験したりすることで、実は今まで常識だと思っていたことが、非常識であると初めて分かるということを言いたかったです。
古き良きものを大事するのは重要ですが、時代は常に変わるので、その時代が求めているものに適応しないことを行い続けること自体に意味あるのか疑問です。僕の生きる指針でもありますが、僕が理由や意味をきちんと説明できないことを他人に推奨することは100%ないですね。だから、僕は他人に説明できないことを推奨する人は頭悪いと思います(笑)。世間から見れば、僕の行動や言動は非常識かもしれませんが、僕の中ではその言動や行動の理由がきちんと説明できます。
仮に、100人が100人納得することが、正しいということは100%ないと思いますし、逆に、100人中99人が間違いだと言っても、僕が正しいと思うなら構いません。その言動・行動の善し悪しよりも、その言動や行動の理由が説明できないことこそが問題ですね。

―――3月1日に発売される『エリートの倒し方 ~天才じゃなくても世界一になれる僕の思考術50』は、どういった方に向けた本でしょうか。

里崎 ビジネス・自己啓発書ですが、ビジネスマンだけではなく成長志向のある人に読んでもらいたい本です。僕独特の、他では聞いたことのない内容が書かれているので、新入社員の方や若手社員が参考にされてもいいと思います。本にも書いていますが、今の世の中は言い訳が多いなと感じていますし、「言い訳するより他にやることあるよ」と思います(笑)。特に、日本球界は結果を出さない選手が自分の意見を言うことはありえません。自分の意見を言いたい、自分の思うようにやりたいならまずは結果を出せと。それでは、結果を出すためには、何が自分には足らなくてどのように行動しないといけないのかが分かると思います。
さらに、社会全体として自意識過剰というか、かなり自分自身を美化する傾向にあると思います。自分自身を正確に判断するには多角的な視点が必要ですし、井の中の蛙だと意味が無いです。僕自身は自己評価がかなり高いですけど、客観的にはかなりは厳しいです。なぜかというと、客観視しているのは、僕自身の理想像だからです。その他己評価を下す僕の理想像に近づくために、僕は日々行動しています。

―――現在、里崎さんの理想像は具体的にはどのようなものでしょうか。

里崎 今の目標は、今の仕事でも億を稼げるような人です。そしたら、プロ野球選手として、一芸能人として同等に頑張れたことになると思うからです。僕は一生80年だと思っているので、40年間くらいかけて日本球界の中を走ってきたので、残り40年間でもう1回、億を稼げれば同等の頑張りはできたと思います。
芸能人は数字がはっきりと測ることができないので評価が難しいと思います。野球だと、打率や本塁打数、あるいはチームの勝利数や勝率など数字がはっきりと表れているので、誰が見てもすぐ分かりますよね。でも、これからは自分の評価が少し分かりづらいですが、唯一それを表すのは仕事の量と対価だと思いますし、その評価が僕自身を必要としている指標だと思います。

―――例えば、プロ野球の監督の打診があった場合はどうようにお考えでしょうか。

里崎 それだと、今までと同じ「野球」という畑なので意味がありません。違う畑でやるからこそ意味のあるものだと思いますし、今の頑張りで1億稼ぐより100倍簡単だと思います。それで引退後も億稼いだよと言っても、全然説得力もないと思います。監督になって、億稼いでも面白くもなんともないと思いますし、もう一度、本を書こうと思っても本にならないです(笑)。
もし、今の仕事で億稼いだら、また本は出したいと思います。その時は、またインタビューして頂ければ(笑)。『エリートの倒し方 ~天才じゃなくても世界一になれる僕の思考術50』が100万部くらい売れたら、達成しますけどね(笑)。

―――『エリートの倒し方 ~天才じゃなくても世界一になれる僕の思考術50』ですが、スポーツ選手とビジネスマンとの共通点を、里崎さん自身はどのようにお考えですか。

里崎 僕は仕事している人はみんなプロだと思っています。プロ野球選手っていうのは、”プロ”ってつくだけで、サラリーマンだって、パン屋さんだって、医者だってプロです。仕事している人でプロじゃない人はいないと思っていますし、プロだから全員結果を出さないといけないことは、職種や業種は違いますが根本的には同じだと思います。
分かりやすい例えとして、富士山に登る目的があったら、どんな方法を使ってもいいと思います。海抜0メートルから富士山に登ってもいいし、5合目まで車で行って登ってもいいし、山梨ルート、静岡ルートいろいろなルートから登ってもいいし、富士山に登る目的さえ成し遂げることを考えれば、ヘリで行ってもいいと思います。富士山に登ることだけでも、方法は数多くあるので、ひとつのことにこだわらないで、いろいろな方法の中から何を選ぶか、何を試すかは自分次第だと思います。でも、その方法を知らないと限られた方法の中でしか試すことはできないので、色んな事を知識に入れて、いろいろな方法を試すことが、頂上に行きつくには一番早いと思います。その方法の選択肢の少なさが一番罪ですし、知識が一番武器になり得ると思います。

>「一流と呼ばれている人は、モノマネが上手」



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