» page top
61Ki9XXHqmL-1-horz

【漫画「ガタガール」って? 話題作「ガタガール」作者・小原ヨシツグ先生の生態に迫る…!】
2017年7月7日


「生物って不思議で面白い」とか「生物好きの女の子って可愛い」など感じてもらえたら嬉しい

—-これまで、◯◯ガールといえば、「山ガール」「森ガール」などが有名です。干潟をテーマにした漫画描くことになった経緯を教えてください。

小原 大学生の時に干潟の生物を研究していたため、いつか漫画の題材に使えればいいなと思っていました。また、世間一般的に干潟の生物というのは未知の世界なので漫画で紹介するのも面白いのではないかと考えていました。
数年前から、女の子×麻雀や戦車などの変わった趣味や競技というのが人気になり始めたこともあって(※)、連載企画が通りやすいのではないかと感じていたので、「ガタガール」で実現することになりました。

※近年では、「咲-Saki-」(スクウェア・エニックス)や「ガールズ&パンツァー」(メディアファクトリー)などが、代表作として挙げられる。
ガタガール 2
・左 : 「咲-Saki-」(著=小林立)
・右 : 「ガールズ&パンツァー」(著=ひびき遊)

—-作中では、多くの干潟の生物がでてきて、甲殻類や軟体動物についての豆知識や雑学が多く登場します。先生ご自身はいつごろから干潟やそのような生物に興味を持ったのでしょうか?また、作中に出ている生物で好きな生物を教えてください。

小原 前述の通り大学時代に深く興味を持ちました。子供の頃から生物は好きでしたが、海や干潟の生物に触れたのは大学生のときです。高校生までは海のない北海道旭 川市に住んでいましたので、大学生のときに海や干潟の生物に触れたときは新鮮でした。
「ガタガール」で登場する生き物で一番好きなのはムツハアリアケガニ(※)です。ムツハアリアケガニ科のカニは小さくて可愛いので好きです。
好きというか因縁があるのが1巻のカバーに描いてある「ニホンドロソコエビ」です。彼らを研究のために何個体アルコール漬けの標本にしたことか数えたらキリがありません…(笑)。彼らも本編で登場させたかったのですが、その前に打ち切りになってしまいました(笑)。

12-horz
※「ガタガール」1巻 P.147に登場する。希少種のカニ。

—-ヒロインの汐ちゃんは中学生ですが、中学生の女の子で干潟が好きというのは珍しいと思います。なぜ中学生の女の子が干潟好きという設定にしたのでしょうか?

小原 干潟×中学生女子というのは一見結びつきにくい組み合わせなので、ギャップ萌えが生じるかも?ということは考えていました。あと女子が干潟で泥だらけになる姿はやはり健康的でイイものだと思いましたので……。
主人公達の設定を高校生ではなく、「中学生」にしたのはリアルさを求めたからです。現実世界では高校生ともなると、学会で発表するなどもっと本格的な方々がいらっしゃいます。そのため、干潟好きな中学生が研究の真似事をしているくらいが少年漫画としてはバランスが取れていて、丁度いいのではと思いました。
しかし生物ガチ勢の読者からは「ヌルイ」「ラブコメとかいらねぇ」「もっと専門性を」といった声も多く見受けられたので、今後の展開については担当さんと相談中です。

—————————————————————先生は前出のように北海道旭川市出身ですよね。ヒロインの汐ちゃんの訛りからファンの方の間では九州地方が舞台だと推測されていますが、舞台をモチーフにした場所や実際モデルに選んだ場所や土地があるのでしょうか?もしあるようでしたら、教えてください。

小原 「ガタガール」の舞台である七ツ瀬干潟は、大学時代に研究していた南九州の某干潟がモデルです。干潟環境や棲んでいる生物は、かなりアレンジをしているのでモデルとなる干潟が特定されるような描写はしていません。
干潟は九州がモデルですが、一方「ガタガール」の舞台は架空の町でおそらく九州ではありません。その理由は、九州の方言を使うのが汐だけであることからも想像してもらえればと思います。この細かい舞台の裏設定に関しても、やはり描く前に打ち切りになってしまいました(笑)。

—-「ガタガール」の見どころを教えてください。また、先生が選ぶ好きなシーンや思い入れのあるシーン、お気に入りの登場人物を理由も合わせて教えてください。

小原 生物漫画としての見どころとしては、生物に対して料理・飼育だけではなく生物調査などの研究者的なアプローチを扱っていることです。これはなかなか珍しいと思っています。
ラブコメ漫画としての見どころは、女の子達が一体何を考えて喜怒哀楽を表現しているのかを想像しながら読んでもらえると面白いのでは?と思っています。
私自身で好きな話は1巻の第6話「標本!」です。生物好きなら、あるあるネタであろう研究・採集派と飼育・ペットショップ派の対立をユーモラスに描けた気がしています。また「かわいそう」と言われがちな標本作りの意義を紹介出来た話なので好きなエピソードです。
お気に入りのキャラは岡谷紫(おかや・むらさき 通称 : むっちゃん)です。彼女は脳みそと口がほぼ直結しているキャラです。私はむっちゃんのような見た目や性格の人が好きです。

14
※岡谷紫(おかや・むらさき 通称 : むっちゃん)
「ガタガール」1巻 P.69より

—-小原先生が本作を通じて、読者に感じてもらいたいこと、先生ご自身が伝えたいことを教えてください。

小原 「生物って不思議で面白い」とか「生物好きの女の子って可愛い」など感じてもらえたら嬉しいです。「ガタガール」がきっかけで自然環境や生物について、もっと深く知ろうとアクションを起こしてもらえたら幸いです。

次ページ>せっかく皆様が応援してくださったのにつまらないものは描けない



過去記事はこちら!

「映画には人生を変える力がある」『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』前田哲監督インタビュー

20181130_155606
講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が、今月28日(金)に公開されます。本作は、筋ジストロフィー症を患っている主人公・鹿野靖明と鹿野さんを支えるボランティアの克明な記録とともに「生きる」とはど...(2018年12月26日) >もっとみる

本は日用品 『本屋の新井』の著者・新井見枝香さんの哲学

unnamed
 「新井さんがプッシュした本はヒットする!」という都市伝説(?)もあるほどのカリスマ書店員が三省堂書店にはいる。それが今回『本屋の新井』を出版した新井見枝香さんだ。 本を読む人が減り、書店も年々減り続ける状況のなか、それをもろともせず、独自のアイディアで本を売り、テレビやラジオなど...(2018年11月16日) >もっとみる

ラブコメ王・瀬尾公治先生が描く少年漫画編集部の熱い現場が舞台の『ヒットマン』

51W+hCWmhzL (1)
 『涼風』、『君のいる町』、『風夏』と3作連続アニメ化され、ラブコメ王ともいえる瀬尾公治先生。  今回は、最新作で新人編集者♂と新人マンガ家♀が少年漫画編集部を舞台に週刊20Pに命を懸ける情熱を描いた『ヒットマン』が10月17日に発売された。...(2018年10月29日) >もっとみる

どうして目がよくなると若返るの? 著者・日比野佐和子先生と、監修・林田康隆先生に聞いてみた

4
  関連記事一覧【立ち読み連載】日比野佐和子先生の新刊『目がよくなると 10歳若返る』 ←毎日17時更新!!//   10月に発行されたゴマブックスの新刊『目がよくなると、10歳若返る』。この本の著者である日比野佐和子先生は、『眼トレ』をはじめ累計55万部を超える著書のほか、アンチエイジング専門医としてテレ...(2018年10月25日) >もっとみる

直木賞受賞島本理生さん 『ファーストラヴ』というタイトルに込めた想い

IMG_4328(I)のコピー
今回は芥川賞に4回、直木賞に2回ノミネートされ、第159回直木賞が念願の受賞となった島本理生さんです。 受賞作の『ファーストラヴ』は、ある事件をきっかけに見えてきた家族間の闇に迫るミステリー風の作品となっている。 電子書籍ランキング.comでは、受賞した思いから作品への思いまでをお伺いしました。...(2018年09月28日) >もっとみる