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【漫画「ガタガール」って? 話題作「ガタガール」作者・小原ヨシツグ先生の生態に迫る…!】
2017年7月7日


せっかく皆様が応援してくださったのにつまらないものは描けない

—-「ガタガール」は、2月に連載打ち切り阻止に向けた運動が行われたとお伺いしております。この運動は盛り上がりながらも、結果として連載打ち切りが決まってしまいましたが、その時の率直な気持ちを教えてください。また連載打ち切り後の漫画家としての構想はあったのでしょうか?

小原 ネット上では「第一次ガタガール保全運動」と呼ばれている運動です。連載阻止をかけた、保全運動は、生き物系ユーチューバーである鰐(わに)さんと蛾(が)撮影のスペシャリストである蛾さん、お二人の協力で始まりました。
この運動が始まる前までは、「ガタガール」でエゴサーチしても私自身の宣伝しかヒットしない状況だったので、正直「誰も読んでねぇな、この漫画」とふてくされていました。
しかしこの運動以後、読者からのメッセージが多く届くようになりとても嬉しかったです。残念ながら打ち切り回避には至りませんでしたが、最後の最後で汐ちゃん達が報われた気がしました。
あのまま何もアクションを起こさず黙って打ち切りになっていたら、数か月後には汐ちゃん達のことを覚えている人は、ほぼいなかったと思っています。作者としては、漫画のキャラというのは、子供のようなものなので報われて本当に良かったです。
打ち切り後は「もう生物漫画は描かせてもらえないだろうな」と思っていたので、また女子中学生がウンコ踏むみたいなギャグ漫画(「完璧な私がxxxなんて踏むはずがない!!」)を描こうと思っていました。

—-次に4月にも同様のキャンペーンが行われました。この運動は電子書店BOOK☆WALKERさんが協力し、1万RT達成すれば特別編掲載が公約の運動でしたが、このキャンペーンのお話をお伺い時の心境を教えてください。

小原 ネット上では「第二次ガタガール保全運動」と呼ばれています。正直に「ありがたい!BOOK☆WALKER様には足向けて寝れんばい!」と思いました。

—-4月のキャンペーン期間中は、先生自身もフィールドワークを積極的に行われていましたよね。先生ご自身はキャンペーン達成に向けて他に行われたことはありますか?

小原 「第一次ガタガール保全運動」の時からの協力者である鰐さんと蛾さんとは千葉県の木更津市にある盤州(ばんず)干潟へ、また新しく声をかけてくださったWIJ(日本国際湿地保全連合)さんとは熊本県の荒尾市にある荒尾干潟(※)に行きました。各地の干潟で見た生物達を紹介するスレを2ちゃんねるに立てたりしていました。
また出来るだけ頻繁に宣伝イラストなどをツイッターに投稿するようにしていました。一般層ウケを狙って、ちょっとエッチなイラストを投稿したら、「そういうことじゃねぇだろ」的なことを言われてしまいました(笑)。やはり、私自身の宣伝効果はたかが知れていて、結局応援してくださっている皆様の拡散RTだよりになっていました。

※小原先生が熊本県の荒尾干潟に行かれた際の報告ツイート

—-4月のキャンペーンでは各電子書店さんの応援や、WIJさんからのクリアファイル提供など大いに盛りあがり、ミッションが達成されました。達成されたときの心境を教えてください。

小原 キャンペーンの1万RT達成した日(4月19日)は、千葉県の船橋市にある三番瀬(※)という干潟で、達成に向けた願掛けの意味も込めて潮干狩りをしていました。
その日は、取材に来ていたテレビ局の人に密漁者としてインタビューされるという事件があり、かなり意気消沈していました(もちろん我々は潮干狩りをしてよい場所で活動していました)。その帰り道「これはもうダメかな」と落ち込んでいたのですが、RTが急激に伸び1万RTが達成されました。
この急激な伸びは、以前からツイッター上で仲良くさせていただいていた有明ガタゴロウ氏(佐賀県有明海に住むムツゴロウ型のゆるキャラ)のゆるキャラネットワークによる拡散が要因だったようで
達成した際の心境は「ただただ感謝」でした。もう一度汐ちゃん達を描けるのは本当に嬉しかったです。しかし「せっかく皆様が応援してくださったのにつまらないものは描けない」と思い、喜んでばかりもいられないと気を引き締めました。

※小原先生が船橋・三番瀬に行かれた日のツイート

—-漫画好きだけでなく生物好きな方々にも支持されています。実際にファンが増えたなと思われることなどはありますか?

小原 ありがたいことにファンの方々は増えたと思います。ツイッターのフォロワー数は第一次保全運動前では150人程度でしたが、今では2500人を超えました(6/25日時点)。
しかし、私としては確かに生物好きの方々からの支持は増えた気がしていますが、普通の漫画好きの方々には、まだまだ認知されていないと思っています。応援してくださっている研究者の方々は、一般層が干潟や生物に関心を持って頂く一つの方法として「ガタガール」に期待してくれているのだと思います。今後は、漫画好きのかた含め一般層にいかに認知してもらうかが最大の課題です。

次ページ>汐ちゃんと生物部の仲間達の新たな活躍にどうぞご期待ください!



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