» page top
IMG_0104(レタッチ済)

新進気鋭の作家 住野よる×注目若手女優 浜辺美波 『君の膵臓をたべたい』対談インタビュー
2017年7月26日


IMG_0122(レタッチ済)

人はいつ死ぬか分からない

—-もし、桜良のように余命一年と言われた場合、これだけはやっておきたいという事はありますか?

住野:遺作を残したいですね。一年あったらもう一作描けると思います。
例えば、死んだ後、パソコンに描きかけの作品が見つかって、最後を誰かに仕上げられるのは嫌です。せめてそれを書き終えて、パソコンをドリルで破壊して死にたいです(笑)。

浜辺:確かに、パソコンって見られたくないですよね。私は住野さんの話を聞いて、恥ずかしいですが、好きな物を食べるだけ食べて、死にたいです(笑)。桜良のようにどこかにいくわけではないです。お家に居て、近くのスーパーやコンビニで買って食べるか、通販で取り寄せます。出掛ける気には、なかなかなれないです(笑)。あとは、住野さんと同じようにスマホを破壊してから死にたいですね(笑)。



—-知人や友人がそういう重い病気の場合、【僕】のように「あと1年ぐらいで死ぬんだよ」って聞かされたらどうしますか?

住野:年齢は違うんですけど、ちょうどこの作品を書いている時に、凄く応援してくれていた親戚が余命宣告されました。もう何も言えないですよね。「来年は◯◯なんだろうけど、もう俺は、その頃いないけど」とか言うんですよ。誰も笑えないです(笑)。
その時の事を考えると、もし桜良みたいな子にこの病気を教えられても、【僕】みたいに、受動的みたいな事は出来ないと思いますね。本人の悲しみは自分には分からないって思ってしまいます。

—-執筆時、作品に影響はありましたか?

住野:影響はそんなにはなかったですね。『君の膵臓をたべたい』を書いていたら突然、電話がかかって来て、「膵臓がんらしい」と言われました。結果的には違ったのですが、そのような事もあり、ラストはああじゃないとダメだと改めて思いました。人はいつ死ぬか分からないっていうのを、約束されたラストじゃダメだと思った点では、考えを固めてくれたかもしれないとは思います。



—-もし浜辺さんが住野先生のように、身近な人が余命宣告されるような状況に置かれたら、どうでしょうか。

浜辺:多分、どれだけ大切で仲の良い人でも、私がずっと一緒にいていいのかって、凄く悩むかなと思いますね。本人に対して、何かあれこれやるのも、それが良いのか分からないです。最悪、一緒に居てあげる事は出来るとは思いますが、それでも一緒に居ても良いのと悩みますね。

—-そうすると【僕】は凄い存在なのでしょうか。「日常」を桜良に与えていますよね。

浜辺:でも、やっぱり仲が良くないのに「凄く◯◯だね」って言わない所は、【僕】の魅力だと思いますね。「可哀相だね」とか「辛いね」とか言わない点では、やっぱり特別で凄く魅力的だと思います。

住野:「共病文庫」を読む所までは、【僕】の感覚にモヤがかかっていると思います。現実感がないですね。僕、中学生ぐらいの頃に、「お前は親が死んでも小説の事と思って、悲しまなさそう」と親から言われた事がありますが、多分そういう感覚じゃないのかなと思いますね。【僕】は桜良の事も、人が死ぬ事もあんまり分かっていないです。だから、ホテルの鞄を開くシーンでショックを受ける。それでも、【僕】は桜良から逃げ出さないのが凄い奴だなあって思います。

次ページ>本当に様々な年齢層の方に楽しんで頂ける作品



過去記事はこちら!

「映画には人生を変える力がある」『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』前田哲監督インタビュー

20181130_155606
講談社ノンフィクション賞と大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が、今月28日(金)に公開されます。本作は、筋ジストロフィー症を患っている主人公・鹿野靖明と鹿野さんを支えるボランティアの克明な記録とともに「生きる」とはど...(2018年12月26日) >もっとみる

本は日用品 『本屋の新井』の著者・新井見枝香さんの哲学

unnamed
 「新井さんがプッシュした本はヒットする!」という都市伝説(?)もあるほどのカリスマ書店員が三省堂書店にはいる。それが今回『本屋の新井』を出版した新井見枝香さんだ。 本を読む人が減り、書店も年々減り続ける状況のなか、それをもろともせず、独自のアイディアで本を売り、テレビやラジオなど...(2018年11月16日) >もっとみる

ラブコメ王・瀬尾公治先生が描く少年漫画編集部の熱い現場が舞台の『ヒットマン』

51W+hCWmhzL (1)
 『涼風』、『君のいる町』、『風夏』と3作連続アニメ化され、ラブコメ王ともいえる瀬尾公治先生。  今回は、最新作で新人編集者♂と新人マンガ家♀が少年漫画編集部を舞台に週刊20Pに命を懸ける情熱を描いた『ヒットマン』が10月17日に発売された。...(2018年10月29日) >もっとみる

どうして目がよくなると若返るの? 著者・日比野佐和子先生と、監修・林田康隆先生に聞いてみた

4
  関連記事一覧【立ち読み連載】日比野佐和子先生の新刊『目がよくなると 10歳若返る』 ←毎日17時更新!!//   10月に発行されたゴマブックスの新刊『目がよくなると、10歳若返る』。この本の著者である日比野佐和子先生は、『眼トレ』をはじめ累計55万部を超える著書のほか、アンチエイジング専門医としてテレ...(2018年10月25日) >もっとみる

直木賞受賞島本理生さん 『ファーストラヴ』というタイトルに込めた想い

IMG_4328(I)のコピー
今回は芥川賞に4回、直木賞に2回ノミネートされ、第159回直木賞が念願の受賞となった島本理生さんです。 受賞作の『ファーストラヴ』は、ある事件をきっかけに見えてきた家族間の闇に迫るミステリー風の作品となっている。 電子書籍ランキング.comでは、受賞した思いから作品への思いまでをお伺いしました。...(2018年09月28日) >もっとみる