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『ヲタ夫婦』の著者 藍先生が語るアイドルヲタクの結婚”トリセツ”
2017年8月4日


アイドルに興味ない人の入り口になるような作品を描いて、アイドル界に還元したい

―― 藍先生が最初に好きになったアイドルは誰ですか?

藍:元々は、女性声優さん、林原めぐみさん国府田マリ子さんが好きでした。アイドルは、モーニング娘。からですね。個人では、松浦亜弥ちゃん高橋愛ちゃんが好きでした。この2人は私と同世代で当時すごく人気があって、ただただ憧れでした。特に高橋愛ちゃんは、名前が同じ「アイ」ですし、他には挙げるとするとモーニング娘。の6期がすごく好きでした。その後は、同じハロー!プロジェクトのグループである℃-uteや初期のAKB48にハマり今もなおという感じです(笑)。
仕事を始めると、趣味のように熱中できることやものが必要なんですよね。漫画やアニメは1人でも楽しめますが、友達を作りづらい。当時は、twitterもこれからの頃でしたから、インターネットで友達ができなくても、アイドルのライブに行くとすぐに友達が出来ました(笑)。そこから同じ趣味を共有しやすいアイドルにハマっていきました。

※モーニング娘。の6期 2003年にモーニング娘。に加入した、亀井絵里・道重さゆみ・田中れいな、藤本美貴の4人を指す。

P10
※「ヲタ夫婦」P.10より

―― ハロー!プロジェクトの次はAKB48をお好きになっていますよね?

藍:AKB48では、高橋みなみちゃん推しでしたが、初代チームKが好きで大島優子ちゃん宮澤佐江ちゃん秋元才加ちゃん大堀恵ちゃんが特に好きでした。あの時のチームKは、実直に頑張っている子が多く、それがカッコよかったというのが大きな理由です。2009年に組閣が発表され、解体された時は凄いショックで、ショックを受けてるうちに人気が出てきて劇場公演が当たらなくなってしまって、それで他のアイドルをみに行くようになりました。

―― ハロー!プロジェクトAK48のアイドル2大巨頭グループの次はどのグループに?

藍:まずは、推しをみつけようと思って色んな所へ行って、地下アイドルもみるようになったのはこの頃からです。その中でもAeLL.(※1)にハマりました。AeLL.のヲタクはすごく優しくて、ヲタクのおじさんが孫みたいな感じで接してくれました(笑)。メンバーと一緒に山梨県の山奥で開墾する伝説のイベントがあって、そのバスツアーがすごく楽しかったのが思い出です。
あとは、東京女子流(※2)も行っていて、CDも結構買ったりしました。

※1 Activity Eco Life with Loveの頭文字を取っている。2014年9月14日に無期限活動休止を発表。
※2 ガールズ・ダンス&ボーカルグループ。音楽プロデューサーである松井寛によるハイクオリティな楽曲と、高いレベルのダンス・ボーカルパフォーマンスにより、多くのアイドルファンを唸らせ、アイドル戦国時代に新たな風を呼び込んだ。

―― 東京女子流はどのようなところが好きなんですか?

藍:いわゆるアーティスト宣言をして、路線が変わって複雑な気持ちになったこともありましたが、東京女子流はライブにいくと変わらず楽しいんですよね。4月のツアー最終日の渋谷Gladに行った時、最近歌っていなかった「鼓動の秘密」を歌う東京女子流の現在の姿をみて、この子達はずっと変わらず音楽を愛してるだけなんだと気付いて考えが変わりました。東京女子流は今まで、アイドルヲタクの気分にずっとかなり振り回されてきただけでて、本人たちのめざしているものや与えてくれる楽しさは変わらないのに、アイドルヲタクの下馬評のようなものに、私自身も流されていたのかなと思っています。
特に歌とダンスの素晴らしさはブレないですし、成長して昔の背伸びした曲が似合うようになってきたと感じます。彼女たちは「東京女子流の音楽を世の中に広めたい」と考えて活動していて、「音楽を真面目に届けたい」という純朴な感じが好きです。そこが変わらない限り、私はずっと応援し続けていると思います。3年ぶりに出場するTIF(※)が楽しみです。

※日本最大規模のアイドルフェスである「Tokyo Idol Festival」の略称。毎年夏にお台場で開催されるアイドルの祭典で、出演することはアイドルにとってのひとつのステータスとなっている。

―― アイドルをみる価値観や感じかたは変化しているのでしょうか?

藍:最近、sora tob sakanaの生バンドでのライブ「月面の音楽隊」をみに行ったんですが、バンドの編成が独特だったり、楽器の担当がすごく細かくて、みたことのないような楽器を使っていたり、そもそも生バンドなのにプロジェクションマッピングを投影していたり、そういう大人が仕掛けてくるみせ方の工夫を注目して楽しんでいるような気がします。自分が年をとったぶん、注目するポイントも大人としての目線になってきたのかなと感じることがあります。

―― 藍先生にとって、アイドルの存在はどのようなものですか?

藍:八百万神みたいに、あちこちにいる感じです。日常生活に不足や不満を感じているときに、尊く感じる存在です。ただ、たまにお金を吸い取ってくるけど(笑)。今後、アイドルブームが無くなっても、私はアイドルが好きだと思います。好きなものには忠実に生きたいですね。だから、仕事でアイドル業界に還元しつつ、アイドルに興味ない人でも興味を持てるような作品を描いて、違う業界の架け橋になれるような存在になれたらと思っています。

次ページ>次はヲタクやアイドルの関係者が元気になるような話を描きたい



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