八月下旬。覆面作家「宿野かほる」が、出版業界を賑わせた。
宿野かほるさんは、覆面新人(?)小説家。上梓から二ヶ月余、未だに個人情報を明かしていない。謎に包まれた作家のデビュー作『ルビンの壷が割れた』は、発売前から話題に上った。
なんと、『ルビンの壷が割れた』は、現在10刷6万3千部を突破!
覆面新人(?)のためか、巷では「なぜ、覆面なのか?」「もしかしたら、著名人ではないのか?」と、様々な憶測を呼んでいる。
というのも、『ルビンの壷が割れた』は、内容の濃さ、表現方法の多様さなどのレベルが高いからである。
新人作家の作品だとにわかには受け入れ難い作品。それが『ルビンの壷が割れた』だ。
今回、電子書籍ランキング.comは単独インタビューに成功。謎に包まれている宿野かほるさんの素性、デビュー作『ルビンの壷が割れた』の創作秘話などお伺いしました。是非、ご覧ください。
本業の関係もあり、周囲の人にわたしだと知られたくなかったからです。
—ペンネーム「宿野かほる」の由来を教えてください。
宿野かほる(以下、宿野) : あまり耳馴染みはないけれど読みやすい名字で、男女どちらでもありうる名前を考えました。
—「宿野かほるって誰?」という意見を見聞きします。なぜ、素性を明かさないのでしょうか?
宿野 : 本業の関係もあり、周囲の人にわたしだと知られたくなかったからです。
—もし二作、三作と著作を重ねてもこの姿勢は変わらないのでしょうか?
宿野 : 最初は一作だけのつもりでした。ですが、新潮社編集部の皆様に「できたら二作目を」とおっしゃっていただき、今、二作目を書こうか迷っています。
—宿野先生は、もともと作家志望でしたか?
宿野 : 昔も今も小説家志望ではありません。
—なぜ、いきなり新潮社さんに原稿を送ったのでしょうか?
宿野 : 新人賞などに応募して受賞できるレベルとはまったく思っていなかったからです。また応募しようにも、『ルビンの壷が割れた』がどういうジャンルに分かれるのかよくわかりませんでした。新潮社さんに渡った経緯については、細かく言うと、わたしや友人たちのことを詳しくご説明しなければいけないので、差し控えさせてください。すみません。
次ページ>(無料キャンペーン実施を受けて)全然売れないのではないかと、不安でした。