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「本づくりに触れ合う中で、本を読む機会を増やしてくれたら」 講談社・「本づくりプロジェクト」発案者の意気
2018年3月30日


10代や20代の方が本を身近に感じてもらえたら良いなと強く思います
 
― このプロジェクトに向き不向きというのはどうやって決めるのでしょうか?
 
担当:例えば、『集団探偵』は事件を多数決で解決する物語です。一般的には探偵が1人で謎解きをしますが、本作はみんなで考えようというお話です。第一弾は「集団装幀」をやろうと考えていました。タイトルが『集団探偵』だから、集団で装幀を募集してみようか、という所から始まっています。
 
「集団装幀」だとデザインを募集することになりそうですが、それはかなり難しい。なので、装幀イラスト募集に落ち着きました。
第二弾は、行成薫さんの短編集です。本作は閉園となる最後の一日に、老若男女が遊園地に来園する物語です。様々な登場人物、来園者が出てくるのでいろんな方に読んでもらいたかった。応募されたタイトルの中から、僕らが見つけることができなかった共通点を見出してくれるかもしれない、という想いで募集を始めました。
第三弾『楽しかったよね』に収録している「恋と革命」は恋愛小説なので、若い方に読んでもらえるような内容です。普段からスマートフォンで写真を撮っている人達がメインターゲットなので、カバー写真募集としました。
 
― 「本づくりプロジェクト」第三弾は、若い方には応募しやすいですね。去年の流行語「インスタ映え」の影響もあって、普段からそのサービスを使っている方から支持を得やすそうですね。
 
担当:実際それは考えています。アマチュアの方が撮った写真はおもしろいかもしれない。欠落している部分をデザインでおぎなったり、ぼけたりしているのがいい味になったり。完璧な写真だと文字を置きづらくて困ることもあります。少し歪んでいるほうが、デザインが組みやすいんです。第三弾の応募締め切りが4月19日(木)なので、桜の写真の応募が多い気がします。青山裕企(ゆうき)さんの『スクールガール・コンプレックス』のような写真もおもしろいですよね。
 
今回の作品は違いますが、ご当地小説のカバー写真に写真を使いたい時は、その土地に住んでいる方が撮影してくれた写真だと作品により現実味を与えてくれる気がします。天気予報アプリ「ウェザーニューズ」では全国各地の皆さんが撮った動画や写真をアップできますよね。毎日、日本中のスマホカメラマンが各地の桜の写真を撮ってウェザーニューズに投稿しています。アプリを開けばその写真が見られる。インスタも同じですが、たくさんの方が見てくれているという実感を覚えます。すると撮影者の意識は変わります。これが出版事業でも行えればいいのにと思います。参加できるメディアとして、「本づくりプロジェクト」に応募してくれれば嬉しいです。
 
― 「本づくりプロジェクト」のような企画は、出版社に限った話ではないと思います。
 
担当:本当にそうです。在野に才能が溢れていると思うので、この風潮が広がればいいなと。
文房具メーカーがアイデアを募集してもいいと思います。メーカーが商品化したら売れるでしょう。出版社は本来、このプロジェクトとの親和性があまり高くないと思います。数ある応募作から一つしか採用されないですし、専門性も高いので。
 
現在、出版業界に就職したい方はどんどん減っていますが、ITやゲーム会社は増えています。ただ、日本中の才能の量は変わらないはず。現代人は過去の人よりも最も文字を書いていると思うんです。携帯電話が普及し、毎日毎日、膨大な文字を書いて読んで過ごしているのに、その興味や関心は小説や本全体には向かない。若い方が常日頃たくさんの写真を撮っているのに、それらは本のカバーには使われていない。写真加工ソフトを使いこなす人は増えたのに、小説のカバーのイラストレーターさんは20年不変だったりする。これってすごく不思議じゃないですか。
文字に触れて、ソフトを使いこなしている人は、ゲームアプリのシナリオライターや、それに準ずる仕事に流入しています。
 
― おそらく若い応募者は、選ばれる確信をもって写真は応募しないと思います。あくまでも、何気なく撮った写真を応募してくるような気がします。
 
担当:応募するためにわざわざ写真を撮らなくてもいいですよね。スマートフォンに溜めている写真のストックから選んで応募してくる気も。でも、それで全く問題ないんです。ハードカバーの単行本は購買層が50~70代、小説誌の読者層は70代です。そのような読者はもちろん大切ですが、10代や20代の方が本を普通に、身近に感じてもらえたら良いなと強く思いますね。
 
― インタビューをお読みの方、第三弾のキャンペーンへ応募を考えている方にメッセージをお願いします。

担当:画質が粗くても、うまくなくてもいいので気軽に応募して下さい。「恋と革命」というタイトルのフィーリングだけで応募してくれても構いません。自分が考えている「恋と革命」の写真を送ってくれればと思います。あまり堅苦しく考えずに構えずに、友達へ気軽にラインを送るかのように、写真を撮って送ってくれたら嬉しいですね。といいつつ、もちろん一眼レフで撮った、本気の写真も期待しています(笑)。

『集団探偵』

51VhEUtoIoL<内容紹介>

<シュアハウス銀杏坂>の住人達は、一癖も二癖もある探偵たちばかり。
町の事件を、土蔵に集まり多数決で解決する彼らは、熊出没事件から誘拐事件まで、数々の難事件?を人知れず解決する!読み出したらとまらない、乱歩賞作家の新境地!

 

 

 

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「本づくりプロジェクト」第三弾 『楽しかったよね』 カバー写真募集!!

FireShot Capture 157 - 本づくりプロジェクト│講談社 - http___honzukuri.jp_

「本づくりプロジェクト」第三弾は、『楽しかったよね』収録の「恋と革命」を読んでいただき、みなさまが思い描かれる「楽しかったよね」のイメージ写真を募集します。大賞に輝いた応募写真は、『楽しかったよね』のカバー写真として採用します。

<応募対象作品>
■橋爪駿輝『楽しかったよね』

<内容紹介>
学校に行くことをやめた僕は、ツイッター上で知り合ったsaiTei@comとリアルで会うことになった。現れたのは目を疑うような美少女で────。行き場のない若い二人。彼らの間に生まれるのは友情なのか、恋なのか。期待の俊英の第2作登場!

<著者紹介>
【橋爪駿輝(はしづめ・しゅんき)】
1991年生熊本県生まれ。横浜国立大学卒業。現在は都内企業に勤務。
執筆は高校生の頃から始め、2017年『スクロール』でデビュー。

■「本づくりプロジェクト」 第三弾 詳細はこちら



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