お笑いコンビ・カラテカ入江慎也氏といえば、芸能界随一の人脈を持つことで有名。直接連絡できる社長は1000人超。芸能人だけでなく、スポーツ選手、文化人などを含めると友人は10.000人以上にも上るという。
そんな顔の広い入江氏が、3月31日に7冊目となる著書『入江式 のしあがる力(ちから。)』を出版した。本書は、芸人そして経営者として「チャンスは人が運んでくる」という信念や数々の著名人と人付き合いから得た工夫や心構えを余すところなく著してある。著者・入江氏に本書に対する想いや、現在の野望について話を伺った。
「人脈」は人とのつながりの中で自然に広がるもの
――今回本を出版しようと思ったきっかけを教えてください。
入江慎也(以下、入江):前著を出版してから3年経ち、環境が大きく変化したからです。特に、講演会がその時よりも増え、いろいろな経験をさせていただいたので、そろそろ新しい本を出したいなと思っていたんです。本書は、特に営業職の方に読んでいただきたいと思っています。
というのも、芸人である僕は給料上げるためには自分自身が頑張らないといけません。自分ができることを増やしてチャンスを広げれば、仕事につながることが多いです。頑張ったら評価につながるので、それは分かりやすいなと思います。営業職の方には理解していただける部分だと思います。
――入江さんは、幅広い交流関係から「人脈芸人」と呼ばれることもあります。ご自身は「人脈」という言葉についてどう思われますか。
入江 : 僕は正直あまり好きではありません。というのも、「人脈を作りたいんです」や「人脈をどうやって広げたらいいんですか」と質問を受けます。しかし、「人脈」は人とのつながりの中で自然に広がるものだと思います。僕は「人脈を広げよう」と思って行動していないですし。ひたすら好奇心のままです。ただ人脈を広げようとしている人は、相手に「この人、全然内容ないな」「楽しくないな」と思われます。なので、どうしても人脈目的だなと伝わってしまいますよね。
――本書は人間関係を円滑にする技術も満載です。吉本興業という独特な上下関係の中だからこそ、鍛えられてきた部分もあるのでしょうか。
入江 : 吉本に入ったからこそ、先輩にいろいろ教えてもらいました。
例えば、吉本芸人同士で飲みに行くと、一番上の先輩が全額払うというルールになっています。数人の後輩と一緒に何軒も飲むと、それはもう……大変です(笑)。でも、そんな中でも「誘いたい後輩」は存在します。
一番誘いたいのは、家が近く独身で暇な後輩でいいヤツです。それにガツガツしたタイプ。後輩から「先輩、飲みに連れていってください」と言われて、いやな気持ちになる先輩はいないと思います。僕は、そういうタイプの後輩が好きです。
――どんな会食が盛り上がるのでしょうか?
入江 : プレゼンができる会食は盛り上がると思います。例えば、「ここの店員さん可愛いんですよ」や「会員制なんですよ」、「ここしかない焼き鳥があるんですよ」など、なんでもいいんです。「予約がなかなか取れないんですよ」もいいですね。あとは一緒においしい食事をすれば、仲良くなれますよ。人は食事をしているときが一番無防備で、心を開きやすいですから。まさに会食パワーです。
――友人が多くてよかったなと思うことはありますか?
入江 : 何でも情報は入ってきますよね。おいしいご飯屋さんや、名医のいる病院、ゴシップだとかの情報が入ってきます。あとは助けてくれる方が多いです。カラテカの単独ライブをするときには、チケットを買ってくださる方もいます。