『推しが武道館いってくれたら死ぬ』というマンガがにわかに人気を集めています。アイドルとファンのリアルな感情が共感を呼び、支持されています。作者・平尾アウリさん自身も筋金入りのアイドル好きで、作中のシーンを実体験したこともあるというから説得力が大きい。
本作は、先月『COMICリュウ』の誌面にて、アニメ化が決定しました。電子書籍ランキング.comは『推しが武道館いってくれたら死ぬ』作者・平尾アウリさんに、本作創作秘話や平尾さんのパーソナリティをお伺いしました。是非、ご一読ください!
©平尾アウリ/徳間書店
私はアイドルがいなければ無職のままでした
― 平尾先生が漫画家を志望したのはいつごろでしょうか?また、この漫画を読んで「漫画家になろう!」と思った作品はございますか?
平尾アウリ(以下、平尾) : 中学生の頃、漫画を仕事に出来るといいなと思っていて、一度デビューもさせていただきましたが、高校生の頃はお休みしていました。ただ、漫画は描き続けていたので、高校卒業後に就職活動の一環として再び漫画家を目指しました。特定の漫画を読んで漫画家を目指したという訳ではありませんでした。
― 平尾先生の作風は『まんがの作り方』(徳間書店刊)など「百合」っぽい作品が多いように感じます。そのような作品は好きだったのでしょうか?それとも別の理由があるのでしょうか?
平尾 : 恋愛漫画を描くための性別は意識していません。たまたま作風が百合っぽいものになったのだと思っていただけましたら幸いです……。
©平尾アウリ/徳間書店
― 平尾先生はアイドルがお好きだとお伺いしました。好きなアイドルはいらっしゃいますか? また、先生にとってアイドルとはどのような存在ですか?
平尾 : 好きなアイドルのことは秘密にさせていただいています。私はアイドルがいなければ無職のままでしたし(お金の使い道が他にないので……)、明日への活力も湧くことはなかったと思います。私にとってアイドルとは、存在してくれているだけで私を生かしてくれる存在です!
― これまでの作品のテーマや作風、登場人物を決める際に、漫画以外の好きなものや人をご参考にすることはありましたか?
平尾 : 創作活動については、あらゆるものから少しずつヒントをもらって、そこから発想を広げながら描いています。例えば、普段から映画や音楽など見たもの聞いたものから気になる単語を書き出して、それらを組み合わせてお話を作るようにしています。
― 漫画を描くときは取材や下調べは、入念に行うのでしょうか? ちなみに本作『推しが武道館いってくれたら死ぬ』はどれくらい、それらに費やしましたか?
平尾 : これまでの作品はあまり取材のいらない題材ばかりだったように思うので、取材を頑張ったということはありません。『推しが武道館いってくれたら死ぬ』でも、入念な取材はしていません。ただ、私の友人に地下アイドルをしていた子がいるので、その友人から運営システムや雰囲気などの詳しい話を聞くことは多いです。
もし、「推しが武道館いってくれたら」私は死にます(笑)。