今回は『人狼ゲームの作法』についてです。
人狼ゲームの作法
ゲームに限らず、スポーツでもレクリエーションでもルールやマナーは存在します。それは、公平性を担保することで皆が楽しめるようにすることで、誰かが一方的な利益を、あるいは不利益を被ったりするのを防ぐためです。
もちろん、人狼ゲームでも明確なルールやマナーは存在します。
例えば、白熱して他のプレイヤーに迫ったり、誹謗中傷したりすることです。こういったことは、皆が楽しむことができなくなるばかりではなく、何よりゲーム特有のスリルや駆け引きが成立しなくなってしまう場合があります。
人狼ゲームは誰が人狼で、誰が村人かを当てて追放(襲撃)するゲームです。そのため、つい他のプレイヤーを追い詰めるような発言や、それに似たことが態度に出てしまう場合がありますが、決してケンカをするゲームではないので、気をつけましょう。
もう一つ、ゲームマスター(以下、GM)の指示に従うことは大事なことです。
GMは、バラエティー番組でいう司会者、スポーツでいう審判やレフェリーに値する人です。
この人が「目を閉じてください」と言うと、プレイヤー全員は目を閉じなければならなりません。「◯◯(役職名)の人、目を開けてください」と言われれば、該当する人のみ目を開け、指示に従います。基本的なことですが、ここで薄目を開けてズルをするのはやめましょう(笑)。
つまり、人狼ゲームは信頼関係で成立するゲームなのです。他にも厳守すべきルールはありますが、ここでは冗長なので割愛します。
ちなみに、ゲーム開始後にあえてウソをつくのはゲームを面白くする人狼の醍醐味とも言えます。たとえ自分がそうでなくても「僕私は人狼です」、「僕私は村人です」と場を混乱させるような発言はしても良いのです。そうやって誰が人狼なのか、誰が村人なのか、あるいは誰の言葉を信じていいのか、言動・行動から推察するために、プレイヤーはあれこれ考え始めること自体がゲームになっています。
人狼ゲームの極意
先述したとおり、人狼ゲームは誰が人狼かを当てるという目的があります。そのためには、様々なことに目を凝らし、自分なりにロジックを立てる必要があります。
例として、人狼役のプレイヤーが「私は村人です」と答えたとしましょう。
他のプレイヤーは、その発言の真偽を確かめる必要があります。しかし、直接聞くことができても、その人の答えを信用していいかどうかは別です。そのため、発言者の言動・行動を注視して、信用の確度を測っていくのです。
発言者がその発言をしているとき、目線が下がっているな、とか、語気が弱々しそうだな、といった表情から推察することもできるでしょう。
また、プレイヤー同士が顔なじみの場合は、普段の様子からバイアスが生じることもあります。普段から嘘つきな友人は、信憑性がないなと感じるし、生真面目な友人は、嘘をついていないと感じることがあります。
このような、日常の信頼残高や職業的背景も重要な判断基準をもたらし、そうしたメンバーによる尺度の変化も面白さのひとつなのです。
本書で、DaiGo氏と堀江氏はそれぞれこう語っています。
(DaiGo)
“あと、僕の場合は結局殺されちゃうんです。
序盤は、人狼から見ると見抜かれるのが嫌で殺される。
最後まで生き残っていたら、早い段階で人狼を吊ってないということは、
僕が人狼じゃないかっていうことで殺される。結局殺されることになるんです。”
(堀江)
“僕はわりと人狼を探すのが得意なんです。だけど、信用はされない(笑)。”
このゲームが面白いのは、誰が本当で、誰が嘘なのかを、表情の変化、言動の一貫性、個人的背景・知識など様々な観点から推察し、ロジックを立て、仲間を導くことにあります。
つまり、人狼ゲームをプレイすると人間観察力や論理的思考能力が育まれるのです。
どうですか? 読者のみなさんも、本連載をご覧頂き、ぜひ人狼ゲームにチャレンジしてみてください。
次回、
『人狼対談 Vol.1 人狼との出会い』
9月28日(木)公開
「人狼を詳しく知りたい!」「ホリエモンとDaiGoのインタビューが待ちきれない!」かたはこちらから
2017年9月29日発売予定。全国主要書店さんにてお買い求めください。
■著書紹介
<内容紹介>
嘘を見抜き、だまされないためのテクニックが満載!
いま人気の人狼ゲーム遊びを通して、さまざまな処世術のテクニックが学べる。本書にはゲーム初心者でもわかりやすい『人狼の教科書』と、すぐに始められる『人狼のカード一式』(17種類29枚)が付属。
人狼の教科書では基本的な遊び方やルールのほか、堀江貴文とメンタリストDaiGoの対談が掲載、嘘を見抜く能力や、勝ち方のコツを語る。
また、『ルナの三十六手』ではゲームで使われる騙しの手口と、それに対抗するテクニックが公開。ほか、『騙されやすいタイプとはどんな人なのか?』など、“騙す”と“見抜く”について、日常生活でも思わず周囲を見まわしてしまう、広く解説をした内容となっています。