今週は、スタッフがお休みの週。こういう週もたまにある。
当然、まかないも作らないので、今回は、子供のお弁当の話をする。
子供が生まれるというのは、人生でも大きな転機のひとつなのは間違いない。
どれくらい大きいって、トーストだってこうなるくらいに大きい。
別に「かわいいでしょー♪ しあわせいっぱい♡」といううっとうしいアピールがしたくて、作ってるんじゃない。なんというか、これはストレスと小銭のバーターだ。
現実問題として、小さな子供の食事は、かなりの手間だ。作ること自体よりも食べさせることがたいへん。散らかす、こぼす、好き嫌い……。テレビをつければ、口の中に物を入れたまま、数分間フリーズしてることもしばしば。「食べなさい!」と言えば「たべてるよ」と言って、口を開けて、食べかけのものを見せびらかす。「野菜も食べて!」と言えば「たべたよ」と言って、ほんのひとくちかじった跡を見せつける。とにかく、あの手この手で、子供は素直に食べない。少なくともうちの子はそうだった。
ところがだ。
ちょっとチーズやハムをハートに型抜いてやっただけでずいぶん変わる。急に「かわいいー!」といって、目の前の食事に(いつもよりは)集中する。ちなみに先ほどのトーストはこちらで作った。
『パンDEポップ! アップ!』
普段の食事でこれなのだから、親のついていかない保育園の遠足ともなれば、そりゃあ不安はよぎる。保育園からも「食べやすいものにしてください」と事前に指示がある。とはいえ、手間はかけたくない。「第2皿目 お弁当は少し窮屈」にも多少書いたけれど、最初のお弁当は、ずいぶんと時間がかかったのを覚えている。あれから数年。ちょっとは手際が良くなった。
・唐揚げ
・パンダおにぎり
・ウインナー
・うずらの卵
・カットフルーツ
・枝豆
・ベーコンとコーン
・ゆで野菜
当日の朝作るのは、おにぎりとカットフルーツのみ。あとは前日の晩ごはんの支度と同時に仕込んでおく。当日の朝の作業は30分程度。こちらは詰める前の様子。
<唐揚げ>は、いろいろなレシピを試したけれど、最近は、こちらの『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』のレシピを参考にすることが多い。味付けは醤油ベース。粉はすべて片栗粉で、二度揚げしたあと、最後に10秒間仕上げで揚げるスタイルだ。肉重量の20%の水分をあらかじめ補充することで、パサパサしない仕上がりを実現している。
ちなみにこの本は、唐揚げのみならず、肉の扱いを根本から変えてくれた本だ。家で食べる肉料理を一気に外食レベルまで持ち上げてくれる。いつかあらためて紹介したい。
<パンダおにぎり>こんな風になっている。
数年前にtwitterでどなたかがアップされていたのを参考に作ったのがはじまり。元のはもっと手が込んでて、手足なんかもちゃんと海苔で再現されていたんだけど、自己流でずいぶん簡略化した。自作するパーツは、約1cmの帯と、耳と尻尾用に約1cmの円が3つだけ。口と目はこちらを使っている。
おにぎり自体はこちら。
『おにぎり俵型』
<ウインナー>たこさんウインナー風。はじめて作ったときは、やっぱりたこだし、足は8本だよなあ、と思って、ちゃんと8本にしたら、細すぎて足がちぎれたりしてたいへんだった。いまは6本で安定した。竹串で穴を開けて、黒ごまをつめておく。
そうそう、ソーセージのかざりぎりに関しては、こちらの本がおもしろい。電書になってないけど、紹介しておく。
『かんたん楽しい、食べておいしい!ウインナーのかざりぎりBOOK』
著者は、なんとあの伊藤ハム! 表紙を見てもらえればわかるように、とんでもないものまで作れる。実際に作るかどうかはさておき、眺めているだけでも楽しい。
<うずらの卵>同じく黒ごまで目をつけた。ちょっと口を作るだけで、ずいぶん表情が出る。このアイデアもオリジナルじゃなくて、食べログだったかなあ。先人の知恵に感謝。
<カットフルーツ>
仲のいいママ友に写真を見せたら「ふざけるな!」と怒られたリンゴのカット。ごめんなさい。格子に切れ目を入れてから、爪楊枝で細工している。いつだったか、子供に「リンゴはウサギにして」とリクエストされた。で、作ってみたのだけれど、うーん、でかい。あれをひとつ入れると、子供用の弁当箱だとだいぶ存在感がある。かといって、もうひとつ別の果物用のタッパを用意するほど、うちの子は量を食べない。そこで小さくても、多少は見栄えがするように、と考えた苦肉の策だったんだけど、これはやりすぎだよなあ、たしかに……。ただ子供に気に入られてしまって、いまさらやめるわけにもいかず、うっかり我が家の定番に。
その他<枝豆><ベーコンとコーン><ゆで野菜>は、食べやすく。大人向けのお弁当だったら、きんぴらとか、おひたしとか、不定形なもので、隙間を埋められるのだけれど、子供にはちょっと食べにくいので、こういった小物であれこれスキマを埋める。基本的に挿しただけ、切っただけ。
子供のお弁当アイデアを見ると、すばらしいキャラ弁や、かわいらしい造形のおかずがあふれてる。でも正直そこまでの手間はかけられない、かけたくない。でも、ちょっとは子供が反応するものにはしたい。というある程度現実的なラインに落とし込んでると思うのだけど、どうだろう? と思って、くだんのママ友にお弁当の写真を見せたら「やりすぎ。ほんとやめてくんない?」と吐き捨てるように言われた。ごめんなさい。
(次回、11月24日掲載予定です!)
ご紹介いただいた書籍、マンガはこちら! 『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』 松浦達也 (マガジンハウス) 『かんたん楽しい、食べておいしい!ウインナーのかざりぎりBOOK』 伊藤ハム (アスペクト) |