どーもー、麒麟の田村です。
先日、パラリンピックを応援、盛り上げるためのイベント「パラフェス」に出演させて頂きました。
5,000人ものお客様が代々木第一体育館に集まり、かなり豪華なイベントとなりました。
出演者も豪華で、僕達の登場の直前にはあの小池百合子都知事が挨拶されていた。
小池百合子さんの挨拶の直後に、よしもとから送り込まれた僕とバンビーノの3人が登場するという流れ。
バンビーノも僕も震え上がっていた。
ここに需要はあるのか……。誰か僕達を求めている人はいるのか……。
地獄か!? ここは地獄なのか??
あまりの恐怖に錯覚を覚える……。
芸歴19年のなかでもかなりシビアな登場の流れです。お客様5,000人に、小池百合子さんの挨拶の後の登場……。シビアだ……、かなりシビアだ……。
バンビーノ藤田は、台本の流れにはダンソンが組み込まれていないが万が一フラれた時の為にと鹿の被り物を持ってスタンバイしていた。
今まで幾度となくその被り物を被って沢山の笑いを取ってきたはずの藤田があまりの恐怖に僕に聞いてきた。
「田村さん、僕こんな凄い会場に、こんなもん持って行って良いんですかね……」
頼みの綱を「こんなもん」呼ばわり……。しかしその気持ちは痛い程わかる。それぐらいに場違いと感じざるを得ない空気だった。
震える手でそっと懐に鹿の被り物を忍ばせる藤田……。
まるで覚悟を決めたヒットマンが慣れない銃を懐に忍ばせるが如く……。
石山は聞こえてるはずなのに返事もせず、目をつぶり切腹直前の武士の様な顔をしていた。
いよいよ登場が近付いてくる。
思いの外軽快なトークで良い感じに笑いを取っている小池百合子さん。
ちゃんとウケるんかい!
それは芸人に取って更にプレッシャーとなる!
空気が張り詰め過ぎて喉に張り付いて呼吸困難に陥る3人。
チアノーゼ寸前の3人……。
いや、チアノーゼ真っ最中の3人。
ズッコケ3人組に無理やり寄せて言うならチァッノゼ3人組。そんな必要はないのだけれども……。
遂にMCから呼び込みのアナウンスが!
決死の覚悟で足を前に動かす。
強張りながらも満面の笑みで手を振る!
お客様の反応は!?
なんと、そこそこの拍手!
有り難い事に大人のお客様!
別にウェルカムでもないやろうけど、ないがしろにはしない!
そこまでビビる必要は無かった!!
ん~、エピソードとしてはシーンとか、逆に大盛り上がりの方がいいけど、これが現実!
リアルそこそこ!!
と言うわけで温かいお客様のお陰で恥をかくことも無く、気分良くイベントに参加させて頂きました。
陸上の競技用の義足を装着させてもらったり、車椅子バスケに車椅子ラグビーなど色々と体験させてもらいました。
途中、後輩である石山から義足着けての競技体験を僕がさせてもらってる時にボケ所全部逃してますよというダメ出しがあった。
だけど僕は、「まだまだ若いな、石山よ。こういうイベントは真面目さも必要やねん」と心の中で反論していた。
そしてイベントも全て終わった2日後ぐらいに、たまたま別の関係者からパラフェスの主催者の感想を聞く機会があり、「田村が真面目すぎましたね、もう少しぐらいハッチャケて欲しかったな」という後輩石山の意見がバリバリ正しかったという感想を頂きました。
石山さん、パラフェス関係者の皆さん。
すいませんでした。もっと芸人として精進します。
かしこまり過ぎて完全に元バスケ選手みたいな顔していました。
しかしながら義足体験や車椅子体験は新鮮で楽しく、パラリンピアンの方々の凄さや興味がめちゃくちゃ湧き、もっと知りたいしもっと観戦などもしてみたいと思いました。
東京オリンピック、パラリンピックが益々楽しみになりました。
何より嬉しかったのが元々気にはなっていたが何の知識も無く関係性もないので、気軽に発言出来なかった車椅子バスケとちゃんと向き合えたことでした。
車椅子バスケの元日本代表の根木さんや三宅さんなど一緒にプレイさせて頂きその技術の高さを体験させて頂きました。
バスケ経験者の僕もついていけないパス回しや、確率の高いシュート力など目を見張るものがありました。
やはりどの世界もプロや日本代表クラスの技は我々の経験では計り知れないレベルで、奥深さを感じました。
終わりで写真も撮って頂きました。貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
そしてやはり車椅子バスケといえばこの漫画しかないですよね?
そうです!
我らが井上雄彦先生の「リアル」
言わずと知れた名作です。
内容はもはやご存知だと思うのであえて触れません。
しかし、一つ教えてもらってびっくりしたお話が。
それは井上先生の表現力の話です。
障害を負ってしまった登場人物の描写などで1を聞いて10を表現するとはまさにだったようで、その苦しみや辛さを完璧に表現しきっていたらしく、実際に障害を持ってる方々も漫画を読んで感心、感動したというお話を聞きました。
まさにリアル。
そこには完璧なるリアルが存在する漫画。
車椅子バスケのことも、人間のことも、バスケのことも勉強出来る1作です。
是非!!
(次回は、1月6日掲載予定です!)