著者累計40万部の作家・水野俊哉さんが新著『人生を勝ち抜く! 「成功本」50冊 超読書術』(ゴマブックス)を発売されました。電子書籍ランキング.comでは、本書の内容を一部抜粋して全6回の連載を行います。
本書は、これまで出版されたビジネス書のなかでも、とくに「人生を成功に導く」ために読んでおきたい書籍を目的別に大別して収録しています。
著者・水野氏がどのように「成功本」を読み、行動に移せばよいかを解説しています。また、収録されている本の要約もしているため、本を読むのが苦手な方でも重要なポイントを掴むことができます。
本コラムでは、本書の各章から1冊取り上げてご紹介いたします。
今回は第1章「成功マニュアルことはじめ」の内容から一部抜粋いたします。
影響力の武器[第2版]-なぜ、人は動かされるのか 誠信書房,2007年刊
5段階書評データ
▶ざっくり言うと 自動承諾テクニック集
わかりやすさ:2 ■■ 450ページ以上ある。辞書か!
実現可能度 :4 ■■■■ 詐欺にあいにくくなる
著者の成功度:3 ■■■ 悪用厳禁ですが
読後の影響力:5 ■■■■■ 恐ろしいほどの説得力
読みごたえ感:5 ■■■■■ ビジネス書の元ネタ
本書をかいつまんで言うと
七面鳥の母鳥は、自分の翼の下のヒナ鳥の世話をし、暖め、身を清め、寄せ集めるのに多くの時間を割きます。これらの母鳥の仕事のほとんどすべてが、ヒナ鳥の「ピーピー」という鳴き声が引き金となって始まります。ヒナ鳥がピーピー鳴けば母鳥はそのヒナ鳥の面倒をみますし、鳴かなければヒナ鳥を無視したり、あるいは殺してしまうことさえあります。
天敵である毛長イタチの人形の中に小さなテープレコーダーを埋め込んでおき、そこからヒナ鳥のピーピーという鳴き声を流すと、母鳥はそれを自分の翼の下に抱きこみました。そして、テープを止めると母鳥はその人形に対して攻撃をしかけたのです。
つまり母鳥の「世話をする」好意の引き金は「ヒナ鳥の鳴き声」であり、ヒナ鳥のほかの特徴、たとえば匂い、手触り、外見などは、さほど母鳥に大きな影響を及ぼさないようなのです。
この話の第1 の重要な点は、これらの自動的、固定的な行動パターンはたいていの場合はうまく機能するということです。
そして第2 に重要な点は、私たち人間も、これらの自動的、固定的な行動パターンがあるということです。
人間が自動的反応をしてしまう引き金は、返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性――の6 つに分けられます。
本書はこの6 つについて、具体的な事例を用いながら解説します。
また、それぞれから身を守る防御法も提示します。
本書で紹介する、これらの引き金を(影響力の)武器のように使えば、あなたに対して人々を承諾するように導くことが可能なのです。
本書から得られる勝ち抜けキーワード!
本書の冒頭は、七面鳥の母鳥の本能的な行動が、ある特定の音に反応して起こる例が紹介されているが、この母鳥同様、人間も日常の判断を、この七面鳥の母鳥のように機械的に行ってしまう傾向があるという。
専門家たちは、私たちが日常で使っている心理的な簡便法(機械的な判断)を「判断のヒューリスティック」と呼んでいる。身近な例を挙げると「高価なもの=いいもの」と簡単に判断してしまう、などだ。詳しい解説を以下に要約引用しよう。
《人間の自動的な行動パターンは、状況内にある関連情報の単一の特徴によって引き起こされる傾向がある。この単一の特徴、つまり引き金特徴は、「状況内のすべての情報を完璧に分析する」ことなしに、正しい行動を決定できる。効率性と経済性から考えると大変貴重なものだ。
だが、このような簡便反応には欠点がある。それは愚かで高くつく間違いを犯しやすいということだ》
逆に言えば、これを悪用すると、人々を自動的に承諾するように導くことができてしまうのである。
本書で紹介されている、「判断のヒューリスティック」は以下の6 つだ。
■ 返報性 人間には「他人がなにかをしてくれたら、なにかお返しをしなければならない」と自動的に判断する傾向がある
■ コミットメントと一貫性 人間には「自分がすでにしたことを一貫していたい」という欲求がある
■ 社会的証明 人間には「他人がなにを正しいと考えているか(=社会的証明)に基づいて物事を判断する」という傾向がある
■ 好意 人間には「自分が好意を持っている知人からなにかを頼まれるとほとんどイエスと言ってしまう」という傾向がある
■ 権威 人間には「権威者の命令に従うべきか否かについてそれほどまでに悩むことは滅多にない」という傾向がある
■ 希少性 人間には「手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる」という傾向がある
本書をくり返し読んで理解することで、あなたは人間がどのようにメディアや他人に影響されて行動しているかを知り、自分自身がそういった影響力にどう対抗するかを知るはずである。
電子書籍ランキング.com 編集部のオススメポイント
今回取り上げた『影響力の武器』は、消費者心理を説いている本だけあって、行動経済学や認知科学など広範な学問分野を扱っています。本書の「判断のヒューリスティック」として紹介している6つのアプローチは、実体験を思い起こしながら読むと理解が深まりそうです。
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■著者プロフィール
水野俊哉(みずの・としや)
1973年生まれ。作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント。ベンチャー起業家、経営コンサルタントとして数多くのベンチャー企業経営に関わりながら、世界中の成功本やビジネス書を読破。
近年は富裕層の思考法やライフスタイル、成功法則を広めるべく執筆活動をしている。現在は自ら立ち上げた出版社2社、飲食業などのオーナー業の傍ら、執筆やコンサルティング、出版プロデュース業を営んでいる。
著書は、シリーズ10万部突破のベストセラーとなった『成功本50冊「勝ち抜け」案内』の他、『「法則」のトリセツ』)、『お金持ちになるマネー本厳選「50冊」』、『徹底網羅! お金儲けのトリセツ』、『幸福の商社 不幸のデパート』『「99%の人が知らない」人生を思い通りに動かす大富豪の教え』など累計40万部を突破している。
■著書紹介
<内容紹介>
※この商品は固定レイアウト型の電子書籍です。タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
成功本ってこんなふうに読めばよかったんだ……
ちょっとコミカル、ほろりと涙もこぼれる「成功本」の世界
経営者、経営コンサルタント、出版と幅広い領域で活躍している水野俊哉が贈る「成功にグッと近づく」成功本読み方指南。
■Part1 【動機の整理術】
■Part2 【読書体験だけで終わらせない1%読書法】
■Part3 【成功本の体系的なジャンル分け】
Part3巻末の「未来日記」を記入した時
あなたの人生ががらりと変わる!?