『最下層アイドル』は、当時AKB48最年長メンバーだった大堀恵さんの出版した本です。「AKB48」というかわいくて正統派アイドルが売れやすいグループで、最年長の大堀さんがどのようにサバイブしていくか処世術が書かれています。実際にソロデビューやSDN48ではセンターまで上り詰めた、彼女のクレバーさやアイドルの光だけではない現実的な側面が当事者の目線で書かれていて、現役アイドルが読んでも学ぶべきものや気付きが得られる一冊です。

『杉の柩』は、アガサ・クリスティーの作品で、特に「ポアロ」という架空の探偵が大好きです。科学的推理や微細な証拠ではなく、変わり者のベルギー人のおじさんに人々が気を許して、話してしまう人間関係の噂話や利害関係を推察して、隠したい真実をあぶり出し犯人を当てる手法が彼の特徴です。文章を読んでいて、とても臨場感があって興奮します。「古畑任三郎」的なドキドキを文学で味わう面白さが魅力です。この作品は、婚約中の彼を可憐な女性に奪われた「エリノア」が、彼を奪った女性のために作ったサンドイッチを食べさせたことで毒死してしまうところから事件が始まります。誰が見てもエリノアが犯人という状況の中、ポアロが登場します。そして会話のみでこの事件を解決していきます。最後の数十ページのどんでん返しは、読者すら裏切る展開なのでたまりません。

『疾るワンナイトスタンド』は、子供の頃から読んでいるラノベで、大人になった今でも楽しめる作品です。高校生で傭兵として世界各地の紛争地帯で戦争を経験した相良宗介は、所属している秘密組織ミスリルの命で同じ高校生の千鳥かなめを護衛することになります。戦争経験は豊富なのに、平凡な男子高生の経験がない宗介は常識外れの行動を繰り返し、次第にかなめに嫌われます。女心がわからない宗介はある意味オタクっぽくてかわいいし、何よりこの作品は世界情勢の描き方のリアリティとラノベ的ラブコメ要素の描き方が非常に上手だと感じます。作品の序盤で宗介がヒロインのどちらかを選ばなくてはならない局面に立たされる展開の運び方と、その時の3人のモノローグの繊細な描き方が自然ながらも秀逸でとても好きです。

『F式蘭丸』は、イマジナリーフレンドものを当時の少女漫画で展開した大島弓子先生の切なくてガーリーで誌的な世界観が好きです。映画やドラマを見ていてもふと思い出すことがあるくらいです。空想の理想の彼氏との決別が世代を越えて女性の胸を打つ情緒豊かな作品です。

『少女ファイト』は、『ミリオンドール』を描く際に、「群像劇は失敗するからやめた方がいい」と当時の関係者から言われていたのですが、私は群像劇が好きだから「絶対やりたい」と思い、参考にしていた作品のひとつです。少年漫画のように女性も活躍できる日本橋ヨヲコ先生のコンセプトが好きで、それぞれのキャラクターのバックボーンを丁寧に繰り広げながら展開するスポ根ストーリーや独自の思想にいつも心を癒されていました。こんな作品を描きたいなと今も憧れを抱いています。

『SLAYERS DRA‐MATA あらいずみるい画集』は、小学生くらいときこの画集を見ながらたくさん絵を描いていたくらい思い入れがある。コピックマーカーやカラーインクをこの絵を見ながらたくさん使ってイラストを描いていました。とても影響を受けた画集です。今でも戦う強い女性キャラが好きなまま変わってないなと思います。

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