第14回 石破さんの「マンガで読む国防入門」が面白すぎてマジで推薦文

永江一石の電子書籍ダイアリー

第14回 石破さんの「マンガで読む国防入門」が面白すぎてマジで推薦文

2016年8月23日

以前にちょこっと紹介しましたが、防衛のプロ「石破 茂」さんの原作の漫画が面白く、安保法案でかなりめちゃくちゃなことを言ってるみなさんも、この漫画を読んだら分かりやすいと思いまして、ご紹介します。なお、中の漫画部分の使用はちゃんとインプレスさんの許諾を取りましたので、著作権侵害ではありません。


マンガで読む国防入門 (impress QuickBooks) 358円

価格が358円なのに200ページ以上のボリュームがあり、かなりの読み応えがあります。ただ内容は2007年2月発行なので、当時はまだ尖閣に中国漁船集団が突っ込んできてもいないし、小笠原沖に何百もの中国漁船が堂々と密漁にきたり、南沙諸島で他国の反対押し切って強引に滑走路作ったり、東シナ海でガス田基地を建てまくったりしてないので、仮想敵国は北朝鮮になっています。

この漫画をだしたのはあおば出版ですが、倒産してしまっているので、著作権者である石破さんと原さんより直接、インプレスが電子化の許諾をいただいたそうです。この漫画の元になったのは2005年の石破さんの「国防」という本。それから10年経過して民主党政権の時代を経て、現在に至っているんですが、今でもみんなが国防や軍事に詳しいかというとそんなことはない。とくに「反対のための反対」をしてる皆さんはよく知らないで反対している人たちも多く、これ1回読まれたらどうでしょうか

原発を通常弾頭の弾道ミサイルで狙うことは不可能

山本太郎が国会で安倍さんに質問して、安倍さんが苦笑してました。「九州の原発に弾道ミサイルが飛んできたらどーする」の件。弾道ミサイルってものを彼をはじめ、原発反対している人たちは知らないんです。

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弾道ミサイルっていうのはこういう構造です。つまりですね。打ち上げるとすぐにロケット部分は切り離されて弾道が慣性で飛んでいきます。石投げてるのと同じです。

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みなさんが湾岸戦争とかで見たトマホークとか、さらには無人機のMQ-9 リーパーが落とす爆弾やヘルファイヤミサイルにはカメラがついていて、レーザーなどで誘導してピンポイントで狙いますが、弾道ミサイルはそれがないので命中精度が低いのです。その代わりにスピードが恐ろしく速くて迎撃は無理。アメリカの大陸弾道弾の精度で200メートル。ノドンだと500メートルくらいです。しかも飛んでくる弾道部分はそれほど大きくないというかむしろ小さい。となると

核弾頭か化学兵器でないと意味ない

ってことです。原子炉って5〜6メートルしかないので、数百メートルの命中精度の弾道ミサイルに通常弾頭搭載して撃ってもしかたないんですよ。かといって核弾頭で原子炉狙ってもどうせ放射能汚染だから仕方ないっしょ! 狙うなら首都圏です。
山本太郎の質問を「素晴らしい」とか言ってた人たちは、もうちょっと軍備について勉強すべき。

自衛隊が海外に攻撃に行くにはそもそも10年以上はかかる

次に、「仮にどこかの国が日本に核兵器を搭載したミサイルを発射しようとしていたら、先を制してその施設を攻撃に行けるか」ってことです。個別的自衛権の解釈で理論的には行けるんですが、石破さんは明快に説明しています。

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いまの自衛隊は物理的に対地攻撃に行けません

わたしも小川さんの本とか読みまして、本当に理解できたのですが

いまの自衛隊は非常に特殊で、
◎対潜水艦の哨戒活動
◎機雷の撤去
◎敵国の戦闘機の迎撃
のみっつしか能力がないんです。米軍と役割分担ができているわけですよ。
石破さんも同じ事いってますね。

爆弾積んで襲ってくる敵国の戦闘機とは戦えますが、敵国のミサイル基地を叩きにはいけない。そんな装備も爆弾ももってないし訓練もしていない。いまからその装備の機体を購入して訓練して戦えるまでには10年以上かかるそうです。太平洋戦争の時とは違い、武器は買ったらすぐ使えるわけじゃない。高度なシステムになっているのでメインシステムとリンクしたり、訓練期間も非常にかかる。

いま、日本が戦争に巻き込まれると騒いでいる方達も、日本の自衛隊は他国を攻めに行く軍備は全く持っていないという前提を理解しないといけないと思うんですよ。最新のヘリ空母(護衛艦ということになってる)だって戦車積めないんです。海外侵略なんていけませんって。

自衛隊は「防衛」に特化しているわけで、逆に石破さんは「相手がミサイルを発射するのが明確なのに、そして大陸弾道弾は迎撃不可能なのにそれを叩きにいけないとは何事か」っていってるわけで、大半の日本人も同じでしょ。
加えて言うなら、安保法案はアメリカに言われたからって当たり前でしょ。アメリカだっていつまでも日本を守っていられるか分からない。だから国際的に権利として認められている集団的自衛権を適用できるくらいはしとけっていうに決まってるし。

本来は憲法改正して集団的自衛権を全て認めれば、NATOみたいな相互防衛システムにはいることもできるけど、いまのままじゃアメリカ以外は相手にしてくれないですわな。先輩と仲良くしとけばヤンキーが「俺に手を出すと××先輩が黙ってないぞ」と凄むのと同じで、相手も引っ込んでくれる(笑)。実際には双方ともそこで終わらせたいので、先輩巻き込んで本格乱闘なんてビーパップハイスクールくらいしかならない。

自分を含めて日本人の大多数は絶対戦争反対だし、中国だって本音では戦争なんてしたくない。物凄い数の新兵器を軍事パレードで見せつけてきたけど、これは日本がF35やオスプレイ買うのと同じ「見せびらかし」だと思うんですよ。最新鋭武器は持ってても、十分な弾薬やミサイルは持ってないはず。食事の調理車とかもないんですよ。本気で戦争する気はどちらもないと見ます。だから安保法案も見せびらかしです。

何度も書いてるけど集団的自衛権を行使できるようにするのは、「戦争したいから」ではなく「戦争しなくて済むように」だと思います。NATOとワルシャワ条約機構の衝突は、冷戦時代でも1回もなかった。集団的自衛権を行使できる方が戦争は起きないのは歴史が証明しておりますぜ。そんなわけで戦争反対って叫ぶなら「現在の自衛隊ってどうなの」くらいは理解してからにしましょう。

(次回は、8月30日掲載予定)

永江一石のITマーケティング日記」2015年9月4日より:https://www.landerblue.co.jp/blog/?p=22217/h6>



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