#262 腕枕をしながら、回転してる
あなたと歩くのが、好き。
あなたの歩き方が、好き。
あなたの歩き方は、まるでダンスのよう。
私の左側を歩いていたかと思うと、さっと回転して、私の右側にいる。
今度は、私を回転させて、また左側にいる。
回転する時、ツバメが舞うように、加速する。
私は、自分がどうやって回転したか、わからない。
私は、ただあなたと楽しそうに、歩いていただけ。
ワオ。
今の、もう1回やって。
あなたはやってくれる。
私の周りを、1回転。
そして、私も1回転。
トリックを見破ろうと思ってきてたけど、やっぱり、わからなかった。
今度は、あなた1人でやってみて。
あなたは、ニコニコしながら、やってくれる。
新聞をさっと広げて、歩く。
さらりと、1回転。
そして、何事もなかったかのように、進む。
ミュージカルのワンシーンを見ているよう。
あなたの歩き方は、楽しそう。
私まで、楽しくなる。
軽やかって、あなたみたいな感じのことね。
あなたの歩いている道が、CGのように見えてくる。
あなたは、綱渡りでさえ、軽いステップを踏みながら、歩くのね。
こうして、腕枕をしている時にも。
あなたは、軽やかに、ステップを踏んで、回転している。