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#263 ほぐれると、感じやすくなる

あなたのマッサージが、好き。
目に見えないマッサージ。
特に、押したり、もんだりするわけではない。
あなたといると、バリバリに凝った体が、気がつくと、ほぐれている。
不思議な感じ。
寝ている間に、マッサージしてくれたのかしら。
その記憶もない。
あなたに、抱き締めてもらっていたのは、はっきり覚えている。
抱き締めてもらっているだけで、体がほぐれてくる。
ほぐれていくのが、スローモーションでわかる。
首筋の凝りがほぐれていくと、スイッチが入る。
私の性感帯のスイッチ。
凝りのほぐれは、首から肩、背中へと下がっていく。
腰とお尻の間くらいが、一番凝っていた。
一番凝っていた部分の凝りがほぐれて、お尻から、太股の裏側を通って、太股の前面へ。
ギプスをはめていたように凝っていた体が、ほぐれていく。
氷が、解けていく感じ。
氷が解けると、溶岩に染み込む。
溶岩の気泡を通って、氷が解けた水が、地下の鍾乳洞へ染み込んでいく。
染み込んだ水滴が、鍾乳洞の天井まで来ると、滴り落ちて、何万年もかけて、鍾乳石の氷柱(つらら)を作る。
私の中で、滴り落ちているのがわかる。
濡れるって、こんな感じ。
あなたに抱き締められて、ほぐれた理由がわかった。
それは、安心したから。
ほっとすることで、体中の力を抜いてくれたのね。



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