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#266 舌が、味を探しにいく

あなたの感覚が、好き。
あなたに会って、私の感覚が変わった。
風景の見え方が、変わった。
いつも歩いている道が、こんなにキレイだと気づかなかった。
音楽の聞こえ方が、変わった。
今まで、聞こえなかった音が聞こえる。
今までだったら、しなかったことをしている自分がいる。
美術館に、頻繁に行くようになった。
今までは、行きたいなと思っていても、気がついたら展覧会が終わっていた。
そんな展覧会が開かれていることすら、気づかなかった。
こんなに身近に、展覧会がたくさん開かれていたなんて。
身近に、こんなに美しいものがたくさん、あったなんて。
あなたに会って、美しいもの中毒になった。
私の体の細胞1つ1つに、あなたが入り込んでいる。
細胞の中の、美しいものに反応するセンサーのスイッチを、あなたが入れてくれた。
1人でいる時も、あなたと一緒にいるみたい。
いろんなところに、あなたが連れていってくれる。
一緒にいる時も、一緒にいない時も。
一緒にいない時は、私の細胞の中のあなたが、磁石みたいに、美しいものがあるところに、運んでいってくれる。
味の好みも、変わった。
あなたに会うまでは、濃い味が好きだった。
あなたに会ってから、薄い味の中にある濃さに気づけるようになった。
最初口に入れた時は、あれっ、薄いかなと感じる。
そうすると、舌が、味を探し始める。
じわじわと、味を見つけ出して、掘り起こしていく。
こうして、あなたの体を、味わう時も、私の舌は、味を探してまわっている。



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