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#291 まぶたを、閉じたまま

あなたの、寝息が好き。
起きているあなたも好き。
眠っている時の、あなたも好き。
眠りに落ちていく時の、あなたも好き。
半分起きていて、半分眠っているわずかな時間。
スパイが、自白剤を注射されて、朦朧(もうろう)としている時間。
スパイ映画で、私はそのシーンが好き。
圧倒的なヒーローが、危うくなる瞬間。
未だ完全に眠っていない時間。
その間に、私はご奉仕をするのが好き。
私のご奉仕の間に、あなたは、起きているヒーローから、眠っているヒーローに変身していく。
起きているあなたにご奉仕するのもセクシーだけど、眠りに落ちていくあなたにご奉仕するのも、好き。
特別な時間帯の特別な権利。
不思議な事に気づいた。
あなたは眠りに落ちていくのに、あなたの体は、元気になっていく。
理性が眠りについて、理性に抑えられていた動物の本能が目覚め始める。
ジキル博士が、ハイド氏に変身する瞬間。
満月を浴びて、ウルフマンに変身していく瞬間。
変身の瞬間のあなたを味わうことができる。
あなたの寝息が、私のエッチな気分を、さらに高ぶらせる。
あなたは今、夢と現実の間を漂っている。
あなたの夢の中に、ご奉仕しながら、ついていける幸せ。
そうしながら、私には、もう1つの快楽がある。
朝。
あなたにご奉仕しながら、あなたが目覚めていく瞬間が、好き。
1ミリずつ目覚めるように、ご奉仕する。
しているつもりだけど、私はきっと、もっと激しくなっているに違いない。
目覚めた時のあなたが好き。
まぶたを閉じたまま、私にキスしてくれるあなたが好き。



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