#295　キスの仕方を、教えて

あなたの、キスが好き。
キスの仕方が、好き。
キスの教え方が好き。
キスの仕方は、どうやって覚えたんだろう。
誰にも、教わってなかった。
だから、１人ひとり、キスの仕方が違うことも知らなかった。
みんな同じだと思っていた。
キスほど、１人ひとりが違うものはない。
だって、教わってないんだもの。
あなたのキスは、違う。
あなたのキスに比べれば、他の人のキスは、大して変わりはない。
何が、違うのだろう。
やっぱり、全部、違う。
唇の柔らかさ。
唇の心地いい温度。
心地いい湿度。
さりげないタイミング。
唇が当たる前に、ゆっくり減速してくれる思いやり。
唇が触れてから、溶け合う感じ。
そして、唇が離れていく時の、スローモーションの感覚。
名残惜しさ。
それら全てを、共有してくれている安心感。
キスに没頭できるように、あなたの両手は、私を包み込んでくれている。
あなたの両足は、大地がどんなに揺るごうがびくともしないくらいしっかりと地面に突き刺さっている。
あなたのキスは、全身でするキス。
そんなキスを、あなたに教えてもらった。
キスをするたびに、どんどん進化している。
進化するキス。
かわいい女の子がキスするところを、見たい。
どう、これから、私と一緒に教えてもらいに行こう。