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#311 キスで、いく

あなたのキスが好き。
私は、いったことがなかった。
あなたに会うまで。
いったことがないことに、あなたに会って、気づいた。
いったつもりでいた。
いくって、こういうことなのかなって、思っていた。
でも、それはいくっていうことではないことが、わかった。
あなたと初めて会った時、いく感覚を、知った。
それはまぎれもなく、いくという表現に、ふさわしい感覚だった。
驚いた。
今までのは、いくでもなんでもなかったことが、わかった。
それまでは、1人でのほうが、まだいく感覚に近かった。
あなたのは、倍数で表現できないくらいの衝撃だった。
しかも。
エッチで、いったのではなかった。
キスしただけで、いってしまった。
初めていった「号外」が、出た。
同時に、エッチではなく、キスでいった号外が、出た。
自分で自分に、「早っ」って、ツッコんでしまった。
気持ちよさと、おかしさが、同時に湧いてきて、感じているのに、笑ってしまっていた。
感じるか、笑うか、どっちかにしてよ、って、また自分にツッコんでいた。
まだ、キスしかしていないのに。
服も、着ているのに。
ベッドにも、入っていないのに。
そんな風に思っているうちは、まだよかった。
私の新記録は、更新された。
唇が、触れる前に、いってしまった。
だって、触れたら、すぐにいきそうだったから。
いきそうな予感で、いってしまった。
新記録は、ますます、更新された。
あなたの顔を見た瞬間から、いってしまった。
この分だと、あなたのことを思い浮かべただけで、いくに遠くない。



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