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#319 大人の人と、つきあいたかった

あなたの大人さが、好き。
ずっと、大人の人とつきあいたかった。
子供の頃から、つきあうなら大人の人と思っていた。
大人の人とつきあうために、早く大人になりたかった。
同世代の男の子には、まったく興味がなかった。
つきあったけど、興味を持てなかったのではない。
最初から、つきあう対象として、考えられなかった。
年上の人でも、ピンとこなかった。
圧倒的な大人の人と、つきあいたかった。
「いくつくらい上がいい」って聞かれるけど、年齢でもなかった。
精神的なものも含めて、大人の人がよかった。
年齢が上でも、ただのオジさんではダメだった。
少女マンガを見ても、主人公の男の子よりも、その男の子のお父さんが気になっていた。
大人の人は、なかなかいなかった。
出会う機会がなかったのではない。
たいてい、ただの年がいったオジさんというだけだった。
私が探していたのは、もっと余裕のある人だった。
「そんな人は、お話の中にしかいないよ」と、友達は言った。
たしかに、1人もいなかった。
あなたに、めぐりあうまでは。
信じていて、よかった。
大人って、なんだろう。
自分も、大人と呼ばれる年齢になっている。
でも、ちっとも大人じゃない。
世の中に、大人はほとんどいない。
ほとんどは、子供と、年がいった人しかいない。
王子が、その国に1人しかいないように、大人はその国に1人しかいないに違いない。
王子とは、大人ということだった。
大人の人に、大人の世界を教えてもらう。
大人のあなたに出会えた幸せ。



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