#329 笑いながら、いかせて
あなたの、笑いながらいかせてくれるのが、好き。
あなたの腕の中で、私は、笑っている。
感じているはずなのに、笑っている。
どうして笑っているのか、自分でも、わからない。
気持ちいいはずなのに。
あなたが、得意の笑い話をしてくれているわけでもないのに。
私は、笑っている。
幸せなベッドの中。
幸せな腕の中。
自分の笑い声に、自分がつられて、笑っている。
あなたの腕の中で、私の笑い声が、こだまする。
あっ。
うそでしょ。
今、私。
笑いながら、いってしまった。
感じながらいくのは、わかる。
でも、今、私、たしかに、笑いながら、いってしまった。
笑うと、いくとが、同時にできるなんて。
笑いながらいったことに、驚きながら、また笑っている。
ダメダメ。
くすぐられているわけじゃない。
笑いながら、いくなんて初めて。
恥ずかしさと、驚き。
でも、心のなかで、こう感じてる。
もう1回、笑いながら、いってみたい。
笑っている身体の揺れが刺激になって、あっ、また、いった。
今度は、確信犯。
しっかりと、笑いながら、いく感覚を味わった。
この感覚を、誰かに伝えたい。
女の子に、話したい。
「ありえない」って、言われたい。
もう1回、笑いながら、いかせて。
笑いながらいってるのか、いきながら笑ってるのか、だんだんわからなくなっていた。
笑いながらいくのが、止まらなくなった。