#336 後ろから、腕枕して
あなたの、後ろからの腕枕が好き。
あなたの魅力は、言葉で表現できない。
特に、あなたの身体の心地よさは。
カッコよさは、見ればわかる。
心地よさは、身体で体験しないと、わからない。
初対面で、あなたと握手した時、私は、抱きしめられた。
握手しているだけなのに、ベッドで抱きしめられている感じだった。
心地よかった。
その日、ベッドで抱きしめられて、この心地よさは、握手した時のものだと、あとで気づいた。
女の子とあなたと3人で、あなたのホテルのお部屋に入った。
女の子は、ドキドキしている。
悪いドキドキじゃない。
信じられないドキドキ。
私は、考える。
どうしたら、彼女にリラックスしてもらえるか。
彼女に、あなたの心地よさを体感してもらいたい。
何を体験すると、心地よさを体感できるかな。
ハグ。
後ろからの、ハグ。
膝の上に載る。
みんな気持ちいい。
1つ1つ、体験してもらった。
彼女の緊張が、ほぐれていく。
でも、一番は、腕枕なのよね。
忘れていた。
腕枕を、体験してもらった。
ね、気持ちいでしょ。
「…………」
あら?
彼女からの返事がなかった。
あまりの気持ちよさに、寝ちゃったかな。
背中から抱っこされる腕枕の形に、寝返りを打った。
彼女の顔は、うっとりしていた。
彼女のうっとりを見られたのが、私にも、幸せだった。
もう戻れなくなったのが、私には、わかった。
彼女にも、わかっていた。