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#338 服の上から、裸を見られる

あなたの透視力が好き。
あなたといると、突然、気づくことがある。
あなたと、女の子と、3人でお話をしていた。
気がつくと、私は、服を脱いでいた。
さっきまで、着ていたのに。
いつ、脱いだのか、わからなかった。
脱がされた記憶は、なかった。
お酒も飲んでいない。
お部屋のエスプレッソマシンでいれたコーヒーを飲んでいるだけ。
なんとなく、脱ぎたくなって、脱いだ記憶が、うっすらある。
かたわらに、私の脱いだ服がきちんとたたまれて置かれていた。
そのたたみ方は、私のたたみ方だった。
ということは、私は自分で脱いだことになる。
あなたは、ジャケットを脱いで、ベストを着ている。
「写真に、撮りたいくらい」
そう言ったのは、私ではなく、女の子だった。
なんと、その女の子も、裸になっていた。
そして、やっぱり、かたわらに服がたたんであった。
たたみ方が、私とは違うのは、彼女が自分でたたんだからだった。
どんな魔法をかけたのかしら。
お部屋が、異様に暑いわけでもない。
なによりも、驚くことは、あなたが、2人の裸の女の子を前にして、たんたんと話をしていること。
彼女の話を聞いている時、胸を見るわけでもなく、下半身を見るわけでもない。
あたかも、服を着ているかのように、いつものように、優しく微笑みながら、話をしている。
同じように、私にも。
銭湯の番台の人が、女湯の入浴客の裸を、見ないのと同じように。
そうなのね。
あなたは、女性の裸を見慣れているから、なんとも思わないから、目を見て話ができるのね。
いや、そうじゃない。
あなたが描いてくれた私の全身像のスケッチを思い出した。
そこに描かれていたのは、ヌードだった。
脱いでいないのに、乳首の特徴まで、正確に描かれていた。
あなたは、服の上からでも、透視して見ることができるから平然としているのが、わかった。



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