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#343 あなたの体で、こっくりさん

あなたの体の光沢が、好き。
あなたの体を触るのが、好き。
こうして。
触りたいと思った時には、もう触っていた。
直接、肌に触れるのも好きだけど、服の上から触るのも、好き。
スーツの上から、触るのが、好き。
スーツの生地が上質なのがわかる。
上質な生地の下に隠れた、上質な身体があるのが、わかる。
感じる。
迷う。
上半身を触ろうか。
下半身を触ろうか。
目をつぶって、私の手の行きたいところに行かせる。
今日の私の手は、あなたの下半身を選んだ。
また、迷う。
前側を触るか、お尻側を触るか。
私の手が、あなたの腰骨のあたりを旋回しながら、迷っている。
贅沢な悩み。
あなたのお尻は、魅力的。
あなたの前は、もちろん、蠱惑的。
これは、迷う。
着陸待機を指示された飛行機のように、私の手は、あなたの腰骨のまわりを旋回し続けている。
この時間も、好き。
あなたの身体で、1人こっくりさんを楽しむ。
もう1人、女の子がいてくれたらと、想像する。
そしたら、その子に、好きなほうを譲って、私は、もうひとつのほうに行けるのに。
あなたの体を触りながら、今日、お参りにいったお寺を思い出した。
自分の身体の良くなりたい部位の、お地蔵さんの同じところを撫(な)でる。
お地蔵さんは、あちこちが撫でられて、てらてらに光っていた。
あなたの体も、こうして、女の子に撫でられて、てらてらに光りそう。
旋回していた私の手が、突然、吸い込まれた。
あったかい。
あなたのポケットだった。
ここもありね。



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