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#358 光源氏な、あなた

あなたの平安貴族なところが、好き。
片づけをしていたら、本棚の奥から、高校の教科書が出てきた。
古文の教科書。
先生の顔が、浮かんだ。
中を開けた。
ぱっと開いたところは、源氏物語。
久しぶりに、読んでみた。
引き込まれた。
源氏物語って、こんなに面白かったのかしら。
高校時代には、気づかなかった。
今、こんなに面白く感じるのは、光源氏が、あなたに似ているから。
高校時代に、気づかなかったのではない。
鉛筆のメモ書きがあった。
私の字だった。
【将来、こんな男性とつきあう】
高校時代から、気づいていた。
光源氏は、モテモテ。
先生が、みんなに「光源氏は、好きですか」と聞いた。
モテモテだから、好きじゃないという子もいた。
私は、好きだった。
書き手である紫式部が、女性から見た理想の男性を描いている。
作者が男性だったら、こんなにまで読み継がれなかっただろう。
そして、読み手は、宮中の姫君たち。
姫君たちの理想の男性を描いている。
あなたの前世は、光源氏。
女子高生の女の子が、言った。
「今、先生のお話を、古文で勉強してます」
この子は、北山で垣間見た若紫。
あなたが、光の君であることに気づいた。
高校時代に、こんなセクシーな物語を、学校で習っていたなんて。
高校の古文の教科書だけ残してあった意味がわかった。
そして、そのページが、自動的に開いたのも、いつも私がそこばかり読んでいたからだった。



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