#369 紳士と野獣
あなたの変化が、好き。
会う度に、あなたの体は、変化している。
あなたの変化を味わうのが、好き。
ウエストが、また引き締まった。
痩せたのではない。
引き締まった感じ。
その分、また胸の厚みが増した。
逆三角形のシルエットが、それでなくても、くっきりしているのに、さらにくっきりした。
抱き締められた時、あなたの背が、高くなった気がした。
自分の背が低くなったんじゃないかと、ドキッとした。
私が、ヒールを脱いで、あなたが靴を履いたままだからと、思った。
足を見た。
あなたは、靴を脱いでいた。
さっき、一緒に歩いている時に、あなたの後ろ姿を見て、また背が高くなったと感じた。
首が、長くなった。
手も、脚も、長くなった。
そんなに長く会ってなかったわけじゃないのに、あなたは一体、何をしているの。
私が、縮んでる気がしてしまって、焦る。
あなたは、ますます紳士になっていく。
なのに。
あなたの下半身は、ますます野獣になっていく。
前より、たくましくなった。
『美女と野獣』ではなく、『紳士と野獣』。
こんなに紳士なのに、こんなに野獣。
『美女と野獣』のセクシーさは、野獣の中に、元の王子を感じさせるからだ。
逆でなくてよかった、と1人で笑ってしまった。
あなたは、どんどん若返っていく。
『ベンジャミン・バトン』みたいに、やがてあなたは赤ちゃんになってしまうのかもしれない。
そしたら、もっと、かわいがるからね。