#376 どうして、いつも分かるの
あなたのテレパシーが、好き。
あなたが、美術館に誘ってくれた。
うれしい。
あなたと美術館に行けるのは、うれしい。
ちょうど、行きたかった展覧会。
これって。
前も、あなたが誘ってくれた展覧会は、私が行きたかった展覧会だった。
あなたは、毎日のように展覧会に行ってるから、不思議ではないかもしれないけど。
あなたが選ぶレストランは、いつもちょうど私が食べたい口になっているレストラン。
波長が合うって、こういうことだと思っていた。
でも、違う。
波長が合ってるんじゃなくて、あなたが私の心の声を感じ取って、応えてくれている。
レストランでも、「何が食べたい」と聞かないのに、私の食べたかったメニューばかり頼んでくれる。
手をつなぎたいと思う時は、手をつないでくれる。
抱き締めてほしいと思う時は、抱き締めてくれる。
キスしてほしいと思う時は、キスしてくれる。
すぐしたい、という気分の時は、すぐしてくれる。
思い切りしたい、という気分の時は、思い切りしてくれる。
まったりしたい時は、まったりしてくれる。
私が口に出して言わないのに、あなたは、私の気分に合わせてくれる。
合わせてくれている。
「僕も、そうしたいだけだよ」
それなら、ますます幸せ。
あら?
今、私、何も言ってないのに、あなたは返事してくれた。
やっぱり、テレパシーで通じてるのね。
心の声を聞かれてるって、心地いい。