#396 脱ぐ口実を、探してた
あなたの神話的なところが好き。
『パリスの審判』を見た。
ギリシャ神話の美女ベスト3のヘラ、ヴィーナス、アテナの中で、誰が一番美女かを選ぶのを任された人間の若者パリス。
パリスは、羊飼いだが、実はトロイアの王子。
王子というところで、もう私は、パリスがあなたにしか見えない。
ギリシャ神話は、面白い。
あなたが教えてくれるから、面白い。
ギリシャの神様は、人間よりも、人間っぽい。
清廉潔白ではない。
むしろ、正直。
正直なのが、神様に違いない。
3人の美神は、パリスに選んでもらおうとする。
神様が、人間に選んでもらおうと、貢ぎ物を出す。
さらには、脱いで誘惑する。
3人の誘惑は、正面、側面、背面の3方向から描き分けることができるので、絵筆を持つ巨匠を、誘惑してきた。
神様が、人間を誘惑する。
しかも、脱いで。
どんな貢ぎ物よりも、自分自身が、最高の貢ぎ物になる。
それを、神話は教えてくれる。
神話は、人間の本質。
だから、何千年も、語り継がれてきた。
私は、感情移入した。
物語では、選ばれなかった2人が激怒して、トロイ戦争になるという展開になっている。
しかし、その戦争は、焼き餅を焼いた男性が起こしたに違いない。
選ばれるために、服を脱いだかもしれない。
でも、脱いだ時には、もはや選ばれるかどうかは、どうでもよくなっている。
3人の美女は、パリスに恋したのだ。
選ばれるために、というのを口実に、パリスに愛されたかった。
実際には、愛されたはずだ。
3人は、もめていない。
より、仲良くなった。
男性には、理解できないもう1つの神話だ。