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#397 魔女でも、かわいがってくれる

あなたの、魔女でもかわいがるところが好き。
魔女キルケーの絵が、好き。
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの『オデュッセウスに杯を差し出すキルケー』の絵が好き。
魔女キルケーは、男を誘惑して、動物に変えてしまう。
オデュッセウスの部下も、豚やヒキガエルに変えられてしまった。
オデュッセウスが、あなたに見えてしまう。
あなたは、魔女と分かっていても、ひるまない。
むしろ、魔女に惹(ひ)かれる。
魔女の誘惑に、惑わされるのではない。
あなたは、キルケーの魔法にかからなかった。
私は、キルケーに感情移入した。
自分の魔法にかからない男が現れて、彼女はがっかりしただろうか。
そうではない。
ホッとした。
そして、喜んだ。
やっと、待っていた男が現れた。
キルケーは、自分の魔法を超える男性を、ずっと待っていた。
次から次へとやってくる、へなちょこ男たちに、うんざりしていた。
魔女は、孤独だ。
そして、魔女は魅力がある。
魔女は、魅力がありすぎて、並大抵の男では付き合えない。
魔女とは、悪女ではない。
常識の幅が、普通の男のはるか彼方(かなた)にあるということだ。
そんな常識の幅の広さを受け入れてくれる男を待っていた。
そして、あなたが現れた。
あなたは、彼女の孤独を知っている。
だから、魔女の魔法にかからなかっただけでなく、そのあと、魔女と付き合うことになる。
1日も早く故郷に帰らなければならないのに、1年の時を、魔女と共に過ごす。
それが、あなたの優しさ。
魔女は、あなたでないと付き合えない。
あなたは、魔女レベルの女性でないと、付き合えない。
魔女をかわいがってくれるあなたが、好き。



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