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#398 あなたの腕の中が、避暑地

あなたの涼やかさが好き。
あなたは、夏でも、スリーピース。
周りの男性は、クールビズで、ネクタイすらしていない。
あなたは、暑そうに、シャツのボタンをだらしなく開けたりしない。
第一、ナローなネクタイをキュッと、細く締めている。
襟の根元が、きっちり一点で合っている。
袖をまくり上げたりもしないで、カフリンクスできちんと留めている。
冬よりも、夏に、あなたの服装の貴族的なところが際立つ。
お屋敷のご主人様とその他の男性に分かれてしまう。
真夏日でも、スリーピースを着ているのに、あなたは涼しげ。
周りの男性は、薄着なのに暑そう。
あなたの貴族的なところは、服装だけからきているわけではない。
暑い日に、涼しそうにしているところが、すごい。
まるで、あなたの周りだけ、天然のクーラーが入っているみたい。
あなたのそばに行くと、実際に、涼しくなる。
あなたの周りには、風が吹いている。
あなたが、扇子で風を送ってくれているのかと思った。
あなたが「暑い」と言うのを、聞いたことがない。
子供の頃、お母さんに「紳士は、暑い、寒いを、言わない」と教えられたと聞いたことがあった。
我慢しているのではない。
「暑い」と言わないうちに、暑いということを感じなくなったみたい。
夏涼しく、冬温かい。
周りの男性が、あなたのまねをして、スリーピースを着ると、かわいそうなことになる。
暑さに耐えられなくて、熱中症になる。
あなたは、夏が素敵。
自分だけでなく、一緒にいる私まで、涼しくなる。
機械で作った涼しさではなくて、自然の涼しさを、あなたは身にまとっている。
いつも、避暑地にいる、たたずまい。
くっついても、暑くない。
あなたの腕の中が、私の避暑地。



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