#399　あなたの時間に、抱かれる

あなたの時間が、好き。
あなたの身軽なところが、好き。
あなたは、何にもしがみつかない。
一緒に、レストランに行って、食べたいものが売り切れでも、涼しい顔。
行くつもりのお店が、予約が取れなくても、涼しい顔。
予定が、全く入れ替わっても、涼しい顔。
手放すことに、なんのためらいもない。
だからといって、愛していないわけではない。
あなたは、この一瞬に、全人生を懸けている。
あなたは、時間の中にいる。
空間を持とうとしていない。
空間を持とうとしても、いくらでも持てるのに。
いくらでも持てるから、空間を持とうとしない。
空間を持つことができない人が、空間を持とうとする。
空間を持つことで、時間を失っていく。
あなたは、持たないことで、全てを持っている。
どこにもいないことで、どこにでも、いる。
いつも、時間を楽しんでいる。
見えないものを、楽しんでいる。
見える空間にしがみつかない。
あなたといると、楽しい。
あなたの自由な、時間の中に、入れてもらえる。
あなたと共有する時間は、特別な時間。
時間の流れ方が、他の人とは違う。
これは、体験した人にしか、伝わらない。
何に似ているかというと、音楽かな。
音楽は、流れて、消えていく。
でも、心の中では、響き続けている。
目には、見えない。
だけど、包まれる。
あなたの時間。
その中に、入れてもらえる時間。
セクシーな時間。