#401 セカンド・ウインドを、吸って
あなたの開けてくれるセカンド・ウインドが好き。
ジョギングをしながら、あなたのことを思い出した。
ジョギングは、最初のうちは苦しい。
あるところで、急に、楽になる。
セカンド・ウインド。
第2の呼吸。
今までのしんどさはなんだったのか分からないくらい、走るのが楽になる。
さっきまで、誰かが後ろで引っ張っていた感じだったのが、後ろから誰かが押してくれる感じになる。
体が、軽い。
セカンド・ウインドの感覚こそ、あなたが教えてくれた感覚。
今まで、息を止めていた第2の呼吸を味わえる。
これまで、続かなかったジョギングをするようになったのも、セカンド・ウインドを感じたいから。
セカンド・ウインドを通して、あなたを感じたいから。
背の高い女の子が、走っている。
スラリと伸びた首で、ポニーテールが揺れている。
外国人かなと思った。
日本人だった。
奇麗な女の子も好きだけど、奇麗な走りも好き。
彼女も、あなたを感じるために、セカンド・ウインドに向かってるのかなと、想像してしまう。
もしかしたら、もうすでに、セカンド・ウインドの恍惚を味わっている最中かもしれない。
ジョギングしているのだから、少しぐらい息遣いが荒くなっても、感じているって、ばれないし。
ジョギングって、そう考えると、セクシー。
苦しくなってきた。
これが、セカンド・ウインドを吸う前兆。
どんどん、上り詰めていく。
セカンド・ウインドも好きだけど、セカンド・ウインドに向かう上り坂が好き。
止めていた息を、水の中から水面に上がって、思い切り吸う。
今、あなたを感じている。