» page top

#417 優しくて、ドS

あなたが、力を抜かせてくれるのが好き。
ピラティスで、肩甲骨の動かし方をインストラクターの先生に教わった。
ふだん、ほとんど、肩甲骨を動かしていないことに気づいた。
右の肩甲骨は、ペンを持つので、上がりっぱなしになっている。
左の肩甲骨は、姿勢が悪く、下のほうに収納したいのに、途中で止まってしまう感じがする。
ピラティスの気持ちいいところは、自分の体と対話できるところ。
ふだん、自分の体なのに、対話を忘れてしまっていることを、気づかせてくれる。
それは、あなたと似ている。
だから、ピラティスが続いている。
あなたの腕枕の中にいると、自分の体との対話が始まる。
自分の体のどこに力が入りっぱなしになっているか、気づく。
それまでは、そんなところに力が入ってるなんて、感じなかった。
力が入っていることに気づいて、力が抜けていく。
そうして、自分の体を、取り戻していく。
力が入っている間は、自分の体は、自分の体でなくなっている。
感覚がなくなっているのは、もはや自分のものでなくなっているということ。
力を抜かしてもらって、自分の感覚が、よみがえってくるって、気持ちいい。
これが、快感。
ピラティスの先生は、美人なのに、レッスン中は、ドSで厳しい。
会った時と、別れ際が、超優しい。
ドSなのに、優しいというところが、あなたに似ている。
レッスンの最中なのに、あなたのことを考えている。
「あ、いいですね、その感じです」
めったに褒めてもらうことがないのに、褒めてもらえた。
今、どうしていたか、思い出せない。
そう。
あなたの腕の中のことを、思い出していた。
そうしたら、自然に体の力が抜けた。
「今、どうしたんですか」
先生に、聞かれたけど、照れてしまった。



【中谷先生のおすすめ電子書籍TOP3】 紹介記事はこちらからどうぞ