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#418 苦悩のセクシー

あなたの、女の子みたいな表情が、好き。
ミケランジェロの彫刻展を見にきた。
ミケランジェロは、ギリシャ彫刻を再発見した。
ギリシャ彫刻が、中学の時から、好きだった。
美術の授業の時、ギリシャ彫刻の半身像がデッサン用に置かれていた。
その半身像に、見とれていた。
きれいな顔だった。
好きなタイプを聞かれて、「ギリシャ彫刻みたいな人」と答えていた。
最初、ずっと女性だと思っていた。
あとで、美術の先生に、男性だと教わって、驚いた。
そう言えば、その美術の先生も、美人だった。
美術を好きになったのは、その美術の先生が、タイプだったせいもある。
エッチな夢の中に、その美術の先生が何度も出てきた。
なんで、あの時、美術部に入らなかったのかと、後悔した。
理由は、簡単。
美人の先生を意識しすぎていたから。
その先生は、男性的な顔立ちだった。
半身像と同じ。
半身像は、美人に見える男性。
美術の先生は、ハンサムな女性。
ミケランジェロ展で、美人の美術の先生のことを思い出していた。
あの美術の先生は、あなたに似ている。
あなたも、こんなに男性的な顔なのに、メイクをすれば、美人になりそう。
「ギリシャ時代は、女性に見える美しい顔立ちの男性が、神の理想だった」と、あなたが教えてくれた。
そう言えば、顔だけではなく、体も、筋肉があるのに、肌がすべすべしていて、、女性的だ。
それも、あなたに似ている。
女性とか、男性とかの区別を、軽々と乗り越えてしまうのが、美なのね。
中学の美術室で、あなたとの出会いを、予感していた。
ミケランジェロは、ギリシャ彫刻をコピーしただけではない。
ギリシャ彫刻になかった、苦悩の表情を生み出した。
苦悩にもだえる表情のセクシーさを、発見した。
それも、あなたに……。



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