#420 外側の私を、受け止めて
あなたのキャパシティーが、好き。
台風情報が、テレビで流れている。
「100年に一度あるかないかの、異常気象です」
と伝えている。
「それを異常と言っては、台風もつらいよね」
あなたが言った。
そういえば、あなたが「異常」と言うのを聞いたことがない。
「台風は、自分では動けないからね」
あなたが、教えてくれた。
台風も、上陸したくて、上陸しているわけではない。
自分で動けない台風が、周りに押されて、動かされているだけだ。
「異常気象」というのも、人間側の都合で、言っているにすぎない。
「わがまま」って男性が言う時、それは自分に都合が悪いと言っているだけだ。
自分のキャパの範囲内では「天然」と喜んでいる。
あなたは、女の子に「わがまま」と言わない。
「素直でいいね」って、笑っている。
「面白いね」って、喜んでいる。
女の子の性欲にも、「異常」と言わない。
「性欲」に、異常も正常もない。
それが、性欲。
「『女心と、秋の空』という言葉は、女性にも悪いし、秋の空にも、悪いよね」
と、あなたは言った。
気分が変わることだって、あるよね。
あなたは、台風を誘惑してしまう。
秋の空も、誘惑してしまう。
普通の人は、普通でない人が、気に入らない。
普通でない人は、普通な人も、受け入れられる。
正常の外に飛び出す時、何かが見つかる。
知らないものに、出会える。
知らない自分にも、出会える。
生まれ変わることができる。
どんな私でも、受け入れてくれるあなたが好き。