#434 食べる前を、楽しむ
あなたの計画が、好き。
あなたは、一緒にご飯を食べる時、何を食べるか、真剣に考えてくれる。
それが、うれしい。
「……で、いいや」がない。
「あれも、いいね。これも、あるね」と楽しんでくれる。
「どうする、どうする」という優柔不断とは違う。
2人で一緒にご飯を食べることを、本気で考えてくれている気がする。
それが、うれしい。
「早く、決めて」という気分にはならない。
食べる時間が、1時間でも、あなたは10時間くらい、考えてくれる。
その間、何回も、一緒に食べているところを、思い浮かべてくれている。
10時間食べることはできないけれど、10時間シミュレーションすることができる。
テーマパークで、あなたと並んでいる間が、楽しい。
待ち時間が退屈って、感じたことがない。
むしろ、待ち時間に楽しみすぎて、私たちの順番が来ても、「今、2人で面白いことをしているから、お先にどうぞ」って言ってしまうそうになるくらい。
徹底して、あなたは、前戯の人。
食べる時間より、何を食べるか考える時間を、共有してくれる。
仕事では、あんなに即断即決できるのに。
一緒にご飯を食べる時は、考え続けてくれる。
考えている時のあなたは、ほほ笑んでいる。
何かを思いついた時、ほほ笑みが、大きくなる。
食べている時間より、考えている時間が楽しい。
これが、あなたの愛し方。
行為そのものより、その前を楽しむ。
行為と、その前の区別がない。
その後とも、区別がない。
その前から、すでに始まっている。
終わっても、続いている。
無限の反復。
無限の反復って、究極の快感だということを、知ってしまった。