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#463 10分間の、爆睡旅行

あなたと電車に乗るのが好き。
あなたと、電車に乗った。
電車は、空いていた。
普段は、あなたは立っている。
さっと、あなたが座った。
私が、隅に座れるように座るところが、ジェントル。
さりげない。
何よりも、今日は朝が早くて疲れていたので、座りたいなという気分だったことを、察してくれたのが、うれしい。
あなたの隣は、暖かい。
いつも乗っている電車が、あなたと一緒だと、ファンタジーになる。
どこか遠くに旅している気分になる。
豪華さは、オリエント急行。
ロマンチックさは、夜汽車。
電車のガタンゴトンという音まで、心地よくなる。
シートは、こんなにあったかだったなんて、気づかなった。
「着いたよ」
えっ。
私は、眠っていた。
たった5つの駅の間に。
まるで、一晩眠ったみたいだった。
映画で、こういうシーンがよくある。
あれって、こういう気分だったのね。
私は、あなたの隣で、どこか遠くまで行っていた。
駅5つ分の大旅行をしていた



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