#475 間違えられて、幸せ
あなたの癒やしが好き。
「お茶しよう」
いつも思う。
なんで、分かるんだろう。
今、お茶したいなと、思ったのが。
さっきから思っていたのではなくて、今、思った瞬間に、あなたはいつも言う。
「ここが、よさそうだね」
ほらね。
周りに、オシャレなお店がたくさんあった。
あなたは、ぐるっと見回して、1軒を選んだ。
私は、ここがいいと思っていた。
2階にあるハーブティーのお店だった。
1階はハーブ素材のコスメティックショップになっていた。
オシャレなお店は、いっぱいあったのに、なんで分かったのかしら。
螺旋階段を上がると、中は、小さなお店だった。
満席だった。
ところが。
これも、いつもそう。
あなたが入ると、ちょうど誰かが立ち上がる。
しかも、お店の中では、一番いい席。
あなたが、魔法を使っているとしか思えない。
あなたは、終始ほほ笑んでいる。
私は、終始、驚いている。
驚くことにも、慣れてきた。
お店のスタッフの美人が、ニコニコしている。
あたかも、常連さんのように。
「初めてだよ」
オーダーしたハーブティーが、届いた。
あなたも私も、アイスを頼んだのに、私には、ホットで届く。
女の子が、ぽっとなって、私のオーダーを間違えてしまった。
でも、それが、かわいらしいから、むしろ私は、うれしくなってしまう。
あなたが、ほほ笑みながら、自分のアイスを私に交換してくれる。
ハーブティー以上に、癒やされる瞬間。