#484　言葉にならないことを、受け取ってくれる

あなたの、質問しないところが好き。
あなたは、質問しない。
最初は、私に興味がないのかなと、心配した。
すぐに、安心した。
あなたは、お見通しだった。
お見通しだから、安心。
お見通しだから、質問する必要がないのだ。
質問する人には、答えても、分かってもらえない。
分かってくれる人は、最初から質問しない。
だからといって、自分の話をべらべら話すわけでもない。
質問なんかなくても、こんなに会話が楽しことを、初めてあなたに教えてもらった。
どんなふうに生きてきて、いま何をしていて、これからどうしたいかなんて、何も聞かない。
それでも、私を受け入れてくれる。
あなたとは、深いコミュニケーションができる。
無駄なやり取りがないから。
ひとこと話すと、100くらい、分かってくれる。
無駄な会話が省けるから、もっと深く、分かり合える。
スパイが私たちの会話を盗聴していたら、あなたと私の会話が、とびとびになっていることに驚くだろう。
ワープしながら、会話するのが、楽しい。
会話の空中ブランコ。
どんどん、先へ先へ、飛んでいく。
以心伝心。
気づいた。
あなたは、言葉を省略しているのではない。
言葉では伝わらないことを、感じ取ってくれているのだ。
私の、言葉にならない気持ちを、受け入れてくれる。
ここまで出ている気持ちを、言葉に置き換えることなく、受け取ってくれる。
ベッドで愛し合っているときも。
あなたは、私の感じていることを、体を通して、受け取ってくれる。
私よりも、正確に、速く。