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#488 あなたのカーテンに、くるまって

なたの、さりげないハグが、好き。
あなたが、優しく抱き締めてくれる。
熱烈なハグも好き。
さりげないハグも、好き。
あなたのさりげないハグは、絶妙。
なんだろう、この感覚。
あなたのさりげないハグを感じながら、お部屋のカーテンが目に入った。
そうだ。
カーテンだ。
子供のころ、カーテンにくるまるのが好きだった。
ママによく叱られていた。
カーテンにくるまる感触が、好きだった。
あなたのさりげないハグは、カーテンにくるまる感覚。
嫌な人のハグは、痛い。
とんがった力に、拒絶感を感じてしまう。
あなたのハグは、カーテンのように私を包み込む。
どこにも、ぶつかりがない。
しかも、くるまるたびに、あなたのカーテンは、柔らかさを増している。
柔らかくて、それでいて、委ねられる強さもある。
また、上質感が上がった。
縫い目がなくなって、広く、厚くなった。
あなたのカーテンのハグは、どんどん進化している。
あなたのカーテンに包まれたら、砲丸でも、包み込まれてしまう。
サッカー選手の、ボールが吸い付くようなトラップに、似ている。
私は、あなたのカーテンに吸い込まれていく。
どこまでも広いあなたのカーテンに、私は吸い込まれていく。
カーテンにくるまるのが好きだったのは、あなたにくるまれる予行演習をしていたのだった。
あなたは、ハグをしている意識すらない。
無意識に、くるんでいる。
無意識にしようとすら感じない無意識。
あなたのカーテンに、もうしばらく、くるまっていていいでしょ。



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