#497 朝の光の中で、神々しく
朝の光の中のあなたが好き。
朝、あなたがシャワーを浴びる間が、私の贅沢(ぜいたく)な時間。
少しだけ、ベッドの中で、余韻を味わう。
幸せを、反芻(はんすう)する。
シャワーが、あなたの体を弾く音が聞こえる。
お湯の香りと、あなたの香りが、バスルームから漂ってくる。
私は、夢と現実の間をさまよいながら、余韻を味わっている。
あなたの幸せそうな鼻歌が聞こえてくる。
あなたは、鼻歌までクラシックなのが、王子なところ。
自分では、気づいていないところもいい。
このわずかな時間が、天国の時間。
この時間が、永遠に続けばいいのに。
でも、早く起きないと。
あなたが、シャワーを浴び終えるまでに、ベッドを出ないと。
もう少しだけ、味わっていたい。
カーテンの隙間から、朝の光が、差し込んでいる。
シャワーを止める音がした。
起きます。
カーテンを、開ける。
朝の光が、一気に差し込む。
気持ちいい。
バスルームから出てきたあなたが、後ろから抱き締める。
振り返ると、あなたは、まだ半分 寝ている私とは全く違う。
朝から、どうしてこんなに爽やかなんだろうという笑顔が、そこにある。
さっきまで、下ろしていた前髪が、濡れて、整えられている。
厚い胸の上を、一筋のしずくが、流れ落ちる。
しずくが、私の太ももに伝わった気がして、脚を閉じてしまった。
朝日が、あなたの筋肉を、浮かび上がらせる。
ミケランジェロが見たら、彫刻にしたに違いない。
夜のあなたは、ロマンティック。
朝のあなたは、神々しい。
思わず、ひれ伏してしまいそう。