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#499 あなたの係に、させて

あなたの係が、好き。
あなたの腕の中にいると、不思議なことが浮かんでくる。
想像力の、スイッチが入る。
つい、あなたを「上様(うえさま)」と呼んでしまった。
ふざけてるつもりは、全くなかった。
大奥のドラマが、好き。
それまで、時代劇に興味がなかった。
大奥に関心が湧いたのは、あなたに出会ってから。
あなたは、将軍様。
その時代に生きていたら、私はどうしていたか、想像が膨らむ。
お公家のお家からもらう正室や側室は、あまり幸せそうに感じない。
政略結婚の切なさを感じる。
下働きから入るのがいい。
春日局は、家光公が気に入るように、あえて、お公家とはタイプ違いの女性をスカウトしている。
そうなると、チャンスが回ってくる。
武家の家だけでなく、商家からも、スカウトされる。
下働きをする女性は、3000人。
そこから上様のお目に留まらなければならない。
お夏ちゃんみたいに、お湯殿係から、お手つきになったシンデレラもいる。
お湯殿係は、格式の高い女性が上のほうを洗い、格式の低いほうが、下のほうの担当になる。
逆じゃないのと笑ってしまう。
私は、何係に潜り込もう。
おいやし係。
おもみ係。
おめざめ係。
おぬり係。
おなめ係。
おだき係。
想像するだけで、どれも魅力的。
結局、全部、兼任させてもらっている。
あっ……。
想像するだけで、いってしまった。
おゆき係だった。



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