#501 脳を、かき回して
あなたのレッスンが、好き。
あなたから個人レッスンを受ける。
あなたは、どんな質問をしても、真剣に教えてくれる。
楽しそうに、教えてくれる。
あなたに教えてもらうことは、何よりも、ロマンチック。
真面目な硬い話を教わっているのに、ロマンチック。
あなたは、にこやかに、シリアスに、教えてくれる。
ロマンチックに話そうとしていないのに、ロマンチックに聞こえる。
硬い話をすればするほど、まるで恋の詩を語るように、教えてくれる。
教えてもらうって、こんなに幸せなことだなんて、知らなかった。
あなたに、会うまでは。
あなたは、図書館の森に、住んでいる。
あなたに、図書館の森の中に、誘い込んでもらうような、ドキドキ感を味わう。
こんな先生に、子どものころ、会っていたら、もっと勉強ができたかな。
逆かな。
こんな先生に出会っていたら、学校の勉強に興味がなくなってしまっていたかもしれない。
ロジカルなのに、セクシー。
私の脳の中に、手を入れて、かき回してもらっているみたい。
今まで、使っていなかった脳が、活性化する。
脳が、熱くなっている。
脳が、湿っている。
これが、感じるということかしら。
あなたに教わると、今まで自分が思っていたことが、真逆だったことが分かる。
脳の中のちゃぶ台を、引っ繰り返してもらう快感。
ちゃぶ台って、どうして引っ繰り返したくなるんだろう。
『巨人の星』でちゃぶ台を引っ繰り返す時の星一徹の目は、素敵だった。
止めようとしている明子姉ちゃんは、困りながらも、ちょっと喜んでいたように見える。
脳は、最も敏感な性器に違いない。
もっと、もっと、私の脳を引っ繰り返して。